コラム
えっ、売上比率はたった「1%」? それでもビールのミニ缶が40年も愛される理由:週末に「へえ」な話(3/3 ページ)
缶ビールのサイズを見ると、ミニ缶と呼ばれている135mlがある。「一番搾り」の内訳を見ると、売り上げ比率は1%ほど。あまり売れていないのに、なぜ販売を続けるのか。キリンビールの担当者に聞いた。
お客は「選べる楽しさ」を味わえる
ちょっと話は変わる。アパレルの店内を見渡すと、ひとつのアイテムにたくさんの色を販売していることがある。当然、その中で人気のある色とそうでない色があるわけだが、なぜ苦戦している色を展開しているのか。
会社によっていろいろな考え方はあるだろうが、マーケティングの教科書を読むと、お客の満足度を高めるために、色のバリエーションを増やしているなどと書かれている。黒もあれば、青もあれば、白もある。たくさんあれば、自分に合った色を見つけやすくなる。そうなると商品の魅力が増し、ブランド価値も向上する。こうした背景があるので、あまり売れていない色でも販売しているのだ。
ということを考えると、ビールも「1%」しか売れていなくても、お客は「選べる楽しさ」を味わえる。大酒飲みの人にとっては「ミニ缶なんていらないでしょ」と思われるかもしれないが、ビールの楽しみ方は人それぞれ。そんな多様なニーズに応えるために、棚の片隅で“小さな巨人”はちょこんと座ってきた。そして、これからも座り続けそうである。
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