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飲みニケーションは必要か不要か? 議論で語られない管理職の“決定的な欠点”:スピン経済の歩き方(4/7 ページ)
「飲みニケーション」の議論では、なぜか「酒を飲む」行為だけが語られていることが多い。本当に大切なのは若者の「酒離れ」のような上っ面の話ではなく……。
昭和の体育会カルチャーがいまだに横行
転職サービスなどを手掛けるパーソルキャリアの調査機関「Job総研」が20〜50代の男女を対象に「納得いかない職場の暗黙ルール」があるか質問したところ、「ある」と答えた人は88%に上った(有効回答数:805件)。
理不尽な暗黙ルールの具体的な中身を聞くと、最も多かった回答は「上司の言うことが正しい」(40.2%)。次いで「新人が〇〇をして当たり前」(29.5%)だった。
令和の日本組織では「風通しの良い職場がいい」「フラット型組織を目指すべき」などいろいろ理想論が語られているが、なんのことはない。それらはあくまで表向きの話で、組織内の暗黙ルールとしては、「上には絶対服従で、下っ端はつらい仕事も進んでやるものだ」という昭和の体育会カルチャーがいまだに横行しているのだ。
さて、そこで「上司の言うことが正しい」「新人が〇〇をして当たり前」という暗黙ルールがある組織の若手社員や平社員になったと想像していただきたい。
業務時間中、上司に口応えもできず、新人というだけで当たり前のようにやらされる仕事をしてクタクタになったあなたは、上司に「会社が終わったら飲みに連れていってください」なんてことを口にするだろうか。多くの人はこの上司とできるだけ早く離れたい、と会社を後にするはずだ。
酒を飲んだところで暗黙のルールがあるので、タメ口で「あのさあ、今日仕事中に説教された話、マジで納得いかないんですけど」などと口が裂けても言えるわけがない。
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