「安くて当然」を覆す! 「豆腐バー」「うにのようなとうふ」なぜヒット? “豆腐革命”の正体に迫る:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
“物価の優等生”と言える豆腐だが、近年、高付加価値商品が続々と登場している。その背景を取材した。
「硬い豆腐が売れるとは思えない」を覆す
最初にできたはんぺん状のプロトタイプを、セブン‐イレブン・ジャパンに持ち込んだところ、「面白いがこのままだと心許ない。もっとしっかりした硬さで、味もしっかりしていて、手を汚さずに食べられて、タンパク質が最低10グラムは入れてほしい」と、宿題を出された。
それらの課題を解決して、発売に漕ぎつけた。
セブン‐イレブンが売ってくれそうだとなると、社内の空気が変わった。それまでは、「硬い豆腐が売れるとは思えない」と白い目で見られてきたという。池田氏と1名の部下で、工場の片隅で試行錯誤を続けきた。ところが老舗豆腐メーカーの高度な知見が投入され、アサヒコならではの完成度の高い商品に仕上がった。
最初に発売したのは、プレーンタイプの「旨み昆布」。1年間はアサヒコのナショナル・ブランド(NB)として販売。2022年1月からは、セブン&アイ・ホールディングスのプライベート・ブランド(PB)となった。同年秋からは、競合の「ファミリーマート」「ローソン」でもPBとして販売されている。
意識的に「サラダチキンバー」の隣へ置かれ、顧客がその日の気分で、タンパク源をチキンと豆腐から選べるようにした。
このようにコンビニから火が付いた豆腐バーは、今ではスーパー、ドラッグストアなどでも売られるようになり、定着したと言えるだろう。2024年10月末までに累計約7500万本が販売されている。
現在販売されているのは、「旨み豆腐」「バジルソルト風味」「すき焼き風」「蓮根と枝豆」「日高昆布と大豆」の5種。また、豆腐のおやつとして、「スイートポテトバー」「濃抹茶バー」「香ほうじ茶バー」の3種がある。合わせて8種となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
豆腐店の倒産・廃業が加速 「物価の優等生」が直面する問題とは
帝国データバンクは、豆腐店の倒産動向について調査・分析を行った。7月までの倒産は36件で、「物価の優等生」として食卓を支えてきた豆腐は、薄利多売で利益が出ず、半数が赤字経営であることが分かった。
好きな豆腐料理ランキング2位は「麻婆豆腐」 1位は?
好きな豆腐料理ランキング1位は「冷奴」という結果に。豆腐を週1回以上食べる人は全体の70%を超える。豆腐の魅力は「高タンパク、低カロリー」「健康によい」など。

