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ユニクロの柳井氏は、なぜ「ウイグル綿花問題」を語ったのか 中国で炎上しても欧州を選んだ理由:スピン経済の歩き方(3/8 ページ)
英国BBCが報じたファーストリテイリング柳井正会長兼社長のインタビューが話題になっている。なぜこのタイミングで、これまで沈黙を貫いてきた「新疆ウイグル問題」に触れたのか。その狙いは?
一部で「闇堕ち」と揶揄されていた柳井会長
実はここ数年、柳井会長は一部メディアから「闇堕ち」なんて揶揄(やゆ)されるほど、悲観的なシナリオや、ネガティブな意見を述べることが多い。例えば、2022年10月の決算会見ではこんなことを言って、メディアを驚かせた。
「経済は本当にひどいですよね。もう、(政府も)小手先のおカネを配ることだけ。これは日本経済だけでなしに、社会全体が本当に悪い方向に行って、取り返しがつかないことが起こるんじゃないかと思う」
直近でも2024年8月、日本テレビの独占インタビューで、こんな発言をして大きな騒ぎになっている。
「少数精鋭で仕事するということを覚えないと日本人は滅びるんじゃないですか」
このようにメディアの前に出るたびに、自国への厳しいダメ出しをしていることを踏まえれば、今回もビジネスを忘れて後先考えず、中国の人権侵害についてつい批判的なことを口走ってしまった、というのだ。
もっともらしい話のような気もするが、企業トップのインタビュートレーニングなどをしてきた立場から言わせていただくと、それはちょっと違うのではないかと思う。
おそらく柳井会長は意図的にこの発言をした。つまり、意図的に「新疆ウイグル自治区の綿花を使っていない」発言をしたのではないか。
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