女性にドン引きされる「パーカーおじさん会社員」が増えた、ちょっと意外な背景:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
「職場のパーカーおじさん」はセーフかアウトか――。そんな議論が話題になっているが、なぜパーカーを着ている会社員が増えたのだろうか。その理由は……。
大切なのはレッテルを貼らないこと
そのような「無作為の扇動」があふれている現代社会で大切なのは、「あいつはパーカーを着ているから、イタいおじさんだな」といった「雑」な決めつけ、レッテル貼りをしないことだ。それが酷(ひど)くなると、職場だけではなく社会の深刻な分断を招いてしまう。
「職場でパーカを着ているジジイ」にも十人十色さまざまな事情や考えがある。その逆に「パーカーを着たジジイを批判する人々」にも、さまざまな事情や考えがある。人間というのは、そんなに簡単にカテゴリー分けできない複雑な生き物なのだ。
皆さんも外国人インフルエンサーが「オレの知っている日本人ってのは、だいたいこんな感じだよ」なんて偉そうに論じて世界的にバズっていたら、いい思いがしないだろう。そして、心の中でこう叫ぶはずだ。
「日本人とどれだけ付き合ったか知らねえけど、全てを理解したようになるんだな」
ただ、こういう「決めつけ」「雑」な主張をすればするほどバズるという現実もある。ビジネスパーソンの皆さんも、ネットやSNSでの情報収集には、ぜひお気を付けいただきたい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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