コラム
「千葉県版 時刻表」なぜ登場? 編集長が動かされた“いくつかの理由”:週末に「へえ」な話(4/4 ページ)
来年、創刊100年を迎える『JTB時刻表』が、初めて「地域版」を刊行した。東京でもなく、大阪でもなく、千葉である。なぜ、千葉なのか。なぜ、紙の雑誌なのか。編集長に話を聞いたところ……。
次は「大阪環状線」か
鉄道の千葉県版と飛行機の時刻表が登場――。しかも、紙で売れた。となれば、気になるのは「次」である。まだ決まっていないそうだが、梶原編集長は「大阪環状線」のことが気になっているようだ。
大阪駅に「おおさか東線」が乗り入れるタイミングに合わせて、2023年3月にダイヤが大きく変わった。このとき、時刻表に大阪市内の特集(2023年3月号)を掲載したところ、読者から好意的な声がたくさん届いた。この反響に手応えを感じているようで、「大阪環状線のスピンアウトはアリかもしれない」とぼんやりと考えているようだ。
「ん? 大阪の環状線よりも、東京の山手線のほうが利用者が多いので、部数が伸びるのでは?」と感じられたかもしれないが、必ずしもそうではないようだ。山手線は、山手線のみで完結する。一方、環状線は、兵庫からも京都からも奈良からも、列車がどんどん入ってくる。
近隣の主要都市からやってきて、大阪市内をぐるぐる回って、再び去っていく。編集者泣かせのダイヤになっているわけだが、複雑になればなるほど、ダイヤに興味をもつ読者が増える傾向があるそうだ。
さて、編集長の頭の中は、次の言葉がぐるぐる回っているかもしれない。車掌の口調で「次は大阪〜、大阪〜」と。
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