生成AIの旗手「Perplexity」事業責任者に聞く ソフトバンクと協業する狙い(2/2 ページ)
AIによる検索エンジンを深化させたのが、米Perplexity(パープレキシティ)社だ。国内ではソフトバンクと提携している。狙いを、Perplexityの最高事業責任者に聞いた。
ソフトバンク提携の理由
――日本市場をどう見ていますか? ソフトバンクとの提携についてはどう考えていますか?
われわれはPerplexityという製品を、歯ブラシのように、日常的に使うものにしていきたいと考えています。歯ブラシは毎日2回使いますよね。そのように日々の生活の中に溶け込んだ会社になりたいと思います。
ソフトバンクは携帯電話の市場にいますが、携帯も毎日人が使うものです。そういった意味で、われわれのプロダクトサービスが人々の生活に染み込むことを狙っています。どんな人でも、何らかの疑問や問題を抱えて、その回答を見いだしたいと考えています。そういった人たちに向けた回答エンジンをわれわれは提供しています。
時間はお金では買えません。人々の時間を削減する部分で、特にわれわれは貢献していきます。何らかの情報が欲しい人は、知りたい情報にたどり着くまでに、いろいろな情報の摩擦やノイズを感じたり、スパムが送られてきたりといった煩雑さを感じたことがあると思います。Perplexityではそれらを全て排除し、質問者と、知りたい内容をすぐにひも付けることができます。
Perplexityによって自分が欲しい回答を簡単に得られるようになると、人々はもっとPerplexityのエンジンを使って質問するようになります。この正のサイクルを今後も回していきたいと思います。
各国の通信事業者と独占契約する狙い
――Perplexityは、日本ではソフトバンクと提携しています。米国では通信会社Xfinity、ドイツではドイツテレコム、韓国ではSKテレコムなど、各国の通信キャリアと独占的な形で提携しています。通信事業者と提携する狙いは何なのでしょうか。
なぜ通信事業者の方々とパートナーシップを結んでいるかというと、まず、昨今では皆さん携帯でインターネットを使っています。そして通信事業者のユーザーは、何百万人から何千万人もの利用者がいます。
携帯は歯ブラシのように、日々誰でも使うものです。われわれはPerplexityを日々のアンサーエンジンとして使ってほしいので、各国の通信事業者と提携することは大きなシナジーがあると考えています。
――なぜ、各国で一通信事業者ずつ独占的なパートナーシップを結ぶ形にしているのでしょうか。
意図して独占的な契約を各国の事業者と結んでいます。この会社の加入者にならない限り、Perplexity Proが使えないことになると、提携先の事業者はPerplexityの販促をしようという気持ちが高まります。提携先の事業者にとっても、自分たちの通信キャリアを契約すれば、Perplexity Proが無料で使えるキャンペーンを打ち出すことで、新規加入者のロイヤリティーや顧客の維持力、そして新規顧客の獲得力が高まります。その点で、各国の通信事業者1社と独占的にパートナーシップ契約をすることは有益だと考えています。
この独占契約の部分は、本来は有償版のPerplexity Proを無償で使えるという部分に過ぎません。それ以外の一般のPerplexityの利用者が、個別に有償でProに変えることは可能ですので、ここは付け加えておきます。
――各国の通信事業者とのパートナーシップもまだ途上だと思います。Perplexityは今後どんな地域の市場に注目していきますか。
われわれが照準を合わせているのは、GDPが高い国です。日本、韓国、シンガポール、香港、台湾、米国、カナダそして西欧州と中央欧州で今後、事業を特に展開していきたいと考えています。
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