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累計2億円売れたドンキの“固すぎる”Tシャツ 社内から反対も、開発者が「いける」と判断したワケ(2/2 ページ)

ドンキの“固すぎる”Tシャツが好調だ。2023年11月に発売した「エレファントTシャツ」は、生産の遅れから当初は苦戦していたものの、今年に入って消費者の認知が少しずつ拡大。累計売り上げは2億円を突破した。

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コスト面で社内からは反対意見も

 ヘビーウェイトTシャツの愛用者だという向氏は、通常のヘビーウェイトTシャツに物足りなさを感じていたという。「さらに生地を厚く、固くしたら、ヘビーウェイトTシャツの良さをより生かせるのではないかと考えました」。そこで周囲のヘビーウェイトTシャツ愛用者に「ヘビーウェイトTシャツの生地を厚くして、さらに固くした方が良いと思うか?」と聞いて回ったところ、ほぼ全員が「肉厚でガチガチに固いのが欲しい」と回答。開発に着手した。

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ヘビーウェイトTシャツの愛用者である担当者の不満から発想(編集部撮影)

 開発に当たり、向氏は徹底的に肉厚で固いヘビーウェイトTシャツを目指したという。加工で生地自体を固くする方法もあったが、固さを長期間持続させるため、原料である糸を生かす方法を探した。多くの糸を使用する分コストも高くなるため、社内からは反対意見もあったが、向氏は「より生地が肉厚で固いヘビーウェイトTシャツにはニーズがある」と説得し続けたという。

 複数の協力会社の協力を得て試作を繰り返し、太い糸を密度を詰めて編み立てることで肉厚かつ固い生地を実現。構想から約4カ月かけて製品化した。生地の固さや重厚感から力強くて肌も丈夫な象を連想し、「エレファントTシャツ」と名付けた。

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構想から約4カ月かけて製品化(編集部撮影)

 当初は生産の遅れから発売日が約2カ月ずれ込んだため、苦戦していたエレファントTシャツ。しかし、2024年に入ってから消費者の認知が少しずつ拡大し、売れ行きも上向いた。「ファッション系YouTuberがエレファントTシャツを紹介してくれるなど、他の商品にはない反応がありました。半袖タイプは発売直後から好調に推移しています」

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長袖タイプ(ドン・キホーテ公式Webサイトより引用)
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半袖タイプ(ドン・キホーテ公式Webサイトより引用)

 現在はホワイトとブラックの2色展開だが、2025年の春夏シーズンからはアースカラー系を2色ほど追加予定だ。今やドン・キホーテが展開するアパレルの定番商品となったエレファントTシャツは、どこまで支持を伸ばせるか。

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次の春夏シーズンからはアースカラー系を追加(MEGA ドン・キホーテ成増店内覧会で編集部撮影)

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