サーモスなのに靴下!? 魔法瓶メーカーの意外なあったかグッズが売れているワケ(1/3 ページ)
魔法瓶メーカーのサーモスが手掛けるあったかグッズシリーズ「&ONDO(アンドオンド)」がじわじわ売れている。なぜ、サーモスは畑違いのあったかグッズ市場に参入したのか。開発担当者の森弘美氏に話を聞いた。
魔法瓶メーカーのサーモスが手掛けるあったかグッズシリーズ「&ONDO(アンドオンド)」がじわじわ売れている。&ONDOでは起毛タイプのルームソックスや、手首を温めるビーズウォーマーなどを展開。一部商品はすでに完売するほどの人気ぶりだという。なぜ、サーモスは畑違いのあったかグッズ市場に参入したのか。開発担当者の森弘美氏(マーケティング部 商品戦略室 企画2課 企画第2グループ)に話を聞いた。
&ONDOのコンセプトは「温度によるセルフケア」で、今年9月に発売した。アイテムは全12種類で、ふくらはぎまで温める靴下や手首を温めるビーズウォーマー、腹巻き、ブランケットなどを用意。サーモス直営店と、Amazonや楽天市場などECサイトなどで販売している。サーモスはこれまで保冷バッグなど布製のアイテムは販売していたが、&ONDOのようなアパレル小物を展開するのは今回が初だという。
サーモスは2018年まで、真空断熱技術を活用したボトルやタンブラー、スープジャーなどを中心に商品展開していた。2019年からは新しいジャンルとしてフライパン市場に参入。「飲食シーンに関わる魔法瓶メーカーから、消費者の生活全般に関わる総合家庭用メーカーへと転身を図る中で、可能性がありそうだと着目したのがライフスタイルのジャンルでした」(森氏)
ライフスタイルに関わるアイテムは幅広い。どういったアイテムを展開するべきか検討する中で、ヒントになったのがサーモスのブランドイメージだった。
サーモスのブランドイメージをヒアリングしたところ、「保温」「温かい」という回答が多かったそうだ。こうしたイメージは、これまで展開してきたボトルやタンブラー、スープジャーなどから連想されたものだった。森氏は「ライフスタイルの分野では、サーモスは後発かつ新参者です。ならばサーモスがこれまで培ったリソースであるブランドイメージをフル活用できる、あったかグッズでの参入を決めました」と振り返る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「まるで電車の座席みたい」が決定打 下半身を温めるユニークなヒーターが誕生した、ちょっと面白い経緯
寒い冬の日、電車の座席に座るとじんわりとした温かさを感じたことがある人も多いのでは。こうした電車の座席のような温かさを再現した、ユニークな暖房器具がある。家電メーカーのサンコーが10月29日に発売した「まるで電車の座席ヒーター」(希望小売価格6980円)だ。
「まるでこたつソックス」がロングセラーに あえて“靴下らしくない”売り方をしたワケ
レッグウェアメーカー大手の岡本(大阪市)が2015年から展開する室内向け靴下「まるでこたつソックス」シリーズが、ロングセラーとなっている。気になる特徴が、サプリメントのようなチャック付きの袋を採用したパッケージデザインだ。その狙いとは?
「ヒーター搭載」で進化した半纏 背景に電気代高騰による変化
日本伝統の防寒着である半纏(はんてん)。この半纏を現代風に進化させたのが、家電メーカーのサンコーが9月24日に発売した「電熱半纏『ほかてん』ライト」(希望小売価格8980円)だ。開発の経緯を、同社の広報担当者に聞いた。
モバイルバッテリーも付いた「両手で使えるカイロ」が人気、理由は?
ライフオンプロダクツが8月23日に発売したシェアカイロが発売から約3カ月で販売台数1万2000台を突破した。開発のきっかけは?


