「管理職になりたい」IT人材は2割以下、理由は? 「給与面でのメリット感じない」の声も
レバレジーズが調査結果を発表した。IT人材の「管理職志向」を阻む要因には、どのようなものがあるのか。
管理職に就いていないIT人材(IT技術に特化してシステムの導入・運用に携わる人材)のうち、「管理職になりたい」人は15.7%――レバレジーズ(東京都渋谷区)がそんな調査結果を発表した。IT人材の「管理職志向」を阻む要因には、どのようなものがあるのか。
「管理職になりたい」IT人材は15.7%
現在管理職に就いていないIT人材のうち、「今後管理職になりたい」とした人は15.7%だった(「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計)。一方で、「全くそう思わない」人は38.5%、「ほとんどそう思わない」人は19.8%で、約6割の人が管理職に就く意向が薄いことがうかがえた。
管理職になりたい理由としては「給与・報酬を現状より上げたいから」(56.7%)が2位以下と大きく差をつけて最多に。「組織への影響力を拡大したいから」(12.6%)、「組織や部門の意思決定の権限を持てるから」(9.4%)が続いた。
なりたくない理由は?
管理職になりたくない理由として最も多かったのは「責任やストレスを感じることが増えそうだから」(48.4%)で、管理業務に伴う負担を懸念する人が多いようだ。「管理業務よりも技術者としての専門性を磨きたいから」(11.7%)、「適性がないと感じるから」(11.3%)といった理由も挙がった。
年代別に見ると、年代が上がるにつれて「今後管理職になりたくない」人の割合が高くなる傾向がみられ、50代では約7割の人が「なりたくない」としている。
なりたくない理由としては、全ての世代で「責任やストレスを感じることが増えそうだから」が1位に。20代では「給与」や「残業時間」への懸念が上位に挙がっている一方で、40〜50代では「自身の適性」や「技術者としてのキャリア志向」との不一致が多く挙がっており、世代ごとの意識の違いも浮き彫りになっている。
レバテック執行役員の泉澤匡寛氏は、「管理職の業務は、ピープルマネジメントからプロジェクト管理まで多岐にわたる。負担を軽減するには、責任・業務範囲の細分化や、必要に応じた業務切り出しの検討が必要になる。管理業務を担う社員の増員や、フリーランスへの委託も1つの選択肢だ」とコメントしている。
調査は11月22日〜11月29日、インターネット上で実施。IT人材を採用する企業担当者1000人と、20〜59歳のIT人材3000人から回答を得た。
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