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ココイチはなぜ、つけ麺・ジンギスカン・もつ鍋に挑むのか?マーケティング戦略の観点から分析(1/7 ページ)

カレーで有名な「ココイチ」を展開する壱番屋。シナジー効果が見込みづらい新業態に進出する意図は何なのか?

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著者プロフィール:金森努(かなもり・つとむ)

有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師

金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。

2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。


 カレーハウス「CoCo壱番屋」(以下、ココイチ)を運営する壱番屋(愛知県一宮市)が、近年つけ麺・ジンギスカン・もつ鍋など、カレーとは大きくかけ離れた新業態に進出している。


さまざまな業態に進出する壱番屋(公式サイトより引用)

 2020年以降、外食業界は原材料高や人手不足などの逆風にさらされているが、事業の多角化で生き残りを図る動きが活発化している。例えば吉野家は、牛丼で培った原材料調達力をうどんや定食などの業態に応用することで、規模の経済を追求している。しかし壱番屋の新業態は、原材料調達や調理法まで、これまでの業態とのシナジーがあまりなさそうなものばかりである。

 この背景には、どのような戦略や意図があるのか。本稿では、壱番屋の多業態展開をプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの観点から読み解き、その根拠や狙いを考察する。

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