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「昔ながらの名車風」なぜ人気? 自動車メーカーが“過去の遺産”を利用する理由:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したホンダのフリードのように、近年はクルマのデザインの優先度が高くなった。昔からクルマのスタイリングは重要な要素だったが、機能性で差別化しづらくなった今こそ、さらにデザイン性が問われる時代になっている。
高根英幸 「クルマのミライ」:
自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
2024年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、ホンダのフリードが受賞した。扱いやすいサイズのライトミニバンで先代も人気だったが、現行モデルはステップワゴンとテイストを共にする、モダンでミニマルな印象のデザインが受けているようだ。
ホンダだけでなく、このところクルマの人気要素においては、デザインの優先順位がますます高まっていると感じる人も多いのではないだろうか。
クルマが普及し始めた1950年代から、すでにスタイリングは比較検討する上で重要な要素となっていた。しかし、クルマが高性能化・多機能化していく中で、燃費や居住性、快適性を左右する機能などで競合他社との差別化ができていた時代は、デザインは二の次でも良かった。
トヨタのプリウスがヒットしたのは、優れた燃費性能とエコカー補助金という強力な後押しがあったからで、ハイブリッドが他車種にも広がると、スタイリングを武器にし始めた。現在では、デザインの訴求力の高さをトヨタが認識していることが分かるだろう。
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