電帳法・インボイス制度で需要増 手書き文字を認識するAIスキャンの実力は?:サイオステクノロジー×大塚商会
サイオステクノロジーは大塚商会と共同で、手書き文字を認識できる「AI-OCRモード」を搭載した複合機アプリケーション「QuickスキャンAI」の提供を始める。
ITmedia デジタル戦略EXPO 2025冬
KDDIが経理のオペレーション改革にAIを活用し、得た成果とは。従来の業務プロセスから脱却を図る中で直面した課題、失敗と成功、今後の展望を語る。
SaaSの販売などを手掛けるサイオステクノロジー(東京都港区)は3月24日、大塚商会と共同で、手書き文字を認識できる「AI-OCRモード」を搭載した複合機アプリケーション「QuickスキャンAI」の提供を始める。書類のデジタル化を推進することによって、企業の生産性や競争力向上を支援する。
改正電帳法、インボイス制度が追い風に
QuickスキャンAIは、複合機を利用して文書をデジタル化し、スキャン作業の手間を削減させ文書の利活用を便利にするアプリケーションだ。
現在、改正電子帳簿保存法やインボイス制度の施行により、電子データ保存が義務化された。企業は運用や保存方法に試行錯誤し、従業員には負担が生じている。その負荷を軽減させるため、サイオステクノロジーはスキャンOCR変換機能にAI-OCRモードを追加した。
AI-OCRモードでは、文書スキャン後にAI-OCRによる文字認識を実行し、業務で活用しやすいテキスト付きPDFやOffice形式で保存する。活字原稿は従来のOCRで変換。一方、手書き原稿や文字認識精度を上げたい場合はAI-OCRで変換するなど、用途や目的に合わせて利用できるようにした。手書き文字や低品質文字の読み取りもできるため、文書の検索性を上げ、打ち直し業務の削減など業務改善も見込めるという。
複数台での利用時には、機器ごとにページ数を設定する必要はなく、総利用ページ数による契約が可能だ。企業にとって使いやすい料金体系を意識した。
同製品は、ライセンス販売(買い取り型)と、サブスクリプション型で提供する。中堅・中小企業でも導入しやすい体系を取ることにより、幅広い企業のデジタル化を支援し、業務改革を後押しする。初年度の販売目標は9000本を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「生成AI×RAG」の効果と課題は? 実装しないと「競争力を保てない」これだけの理由
生成AIの普及によって、外部情報の検索を組み合わせて回答精度を向上させる「RAG」(検索拡張生成)は、IT業界のトレンドになっている。ただ、実際にRAGをどのように活用すればいいのか理解している企業は多くない。今後の「生成AI×RAG」の展望や効果、課題をサイオステクノロジー社長に聞いた。
「生成AI×RAG」で解決策を提供 眠る社内データを生かす新サービス
サイオステクノロジーは、企業のRAG(検索拡張生成)導入を支援する「Azure OpenAI Service RAGスターターパック」の提供を開始した。生成AIとRAG技術を活用し、眠っている社内データを生かして生産性向上をサポートする。
大塚商会社長が語る「AIとDXに注力する理由」 “売上高1兆円”も視野に
“売上高1兆円”の大台を狙う大塚商会が今、AIとDXに注力している。同社が進める新しい営業の在り方とは何か。大塚裕司社長が語った。
孫正義「A2Aの世界が始まる」 数年後のAIは“人が寝ている間に”何をする?
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、個人専用のAIが予定の管理や買い物などを代行する「パーソナルエージェント(PA)時代」が数年以内に到来するとの見方を明らかにした。
NEC森田社長に聞く「2025年の投資戦略」 BluStellarとDX人材活用はどうなる?
2025年度は中期経営計画(中計)の最終年度だ。2025年、NECはどのように変わっていくのか。その方針を森田隆之社長に聞いた。
松尾豊東大教授が明かす 日本企業が「ChatGPTでDX」すべき理由
松尾豊東大教授が「生成AIの現状と活用可能性」「国内外の動きと日本のAI戦略」について講演した。





