コラム
自分で淹れたら70円、店員が淹れたら700円 モンカフェが“変わった店”を営業しているワケ:週末に「へえ」な話(4/4 ページ)
東京・渋谷のキャットストリートに、ちょっと変わったカフェが登場した。自分がドリップすれば1杯70円、店のスタッフが注げば1杯700円。価格差10倍もあるカフェの狙いは何か。担当者に聞いた。
1杯700円を払っている割合
最後に、気になることをひとつ。自分で淹れたら70円、スタッフが淹れたら700円になるわけだが、どのくらいの人がスタッフに頼んでいるのだろうか。
藤原さんに聞くと、「全体の2%ほどが淹れてもらっていますね」という。普段、自分で淹れるコーヒーとスタッフが淹れるコーヒーの味には、どのくらいの違いがあるのか。答え合わせをするような形で、スタッフに淹れてもらう人が多いようだ。あとは、外国人も注文するケースが目立つという。
価格差を10倍に設定した理由として、「モンカフェは高い」と思われていることが関係している。とあるスーパーを視察すると、モンカフェの「キリマンジャロブレンド」は8袋入りで430円。その隣で販売していた大手のコーヒーは9袋入りで430円。1杯当たりの価格はモンカフェが54円、大手が48円。少し高いものの、ものすごく高いというわけではなかった。
しかしで、ある。アンケート調査では「高い」という結果がでているので、そのイメージをなんとかしなければいけない。カフェで飲んで「1杯70円」であれば、お客は安く感じるのではないだろうか。おいしいコーヒーには価値があるんですよ、決して高くはないですよ。こうしたことに気付いてほしい、という狙いもあるようだ。
自分で淹れることは手間なのか、それとも楽しいことなのか。カップのふちにセットしたフィルターは、そんな問いをそっと“注いで”いるようだ。
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