闇バイト撲滅のために利益を捨てた? 「爆サイ」が下したびっくりの決断:スピン経済の歩き方(3/6 ページ)
社会問題となっている「闇バイト」について、国内最大のネット掲示板「爆サイ.com」がユニークな対策に踏み切った。その驚きの内容とは――。
運営元代表者による驚きの決断
再発防止策がなかなか固まらない中で、議論は運用元代表者のこんな鶴の一言で突然終わりを迎える。
「もういいじゃん、それよりもユーザーがだまされて、人生が狂ってしまうことのほうが嫌なので、一般求人掲示板、廃止しましょう」
これを聞いて、正直かなり驚いた。筆者は報道対策アドバイザーとして、さまざまな企業の危機管理を手伝ってきた経験がある。中には今回の闇バイト問題のように、事業者側のサービスや商品が違法グループに悪用されてしまうケースにも立ち会ったことがある。
そういうとき、事業者側に「もうちょっと身を切る対策を打ち出さないと、世間に本気度が伝わりませんよ」などと進言して思いっきり嫌な顔をされることが多いのだが、今回の爆サイの対応は「いやいや、ちょっと身を切りすぎじゃないですか?」とこちらが心配してしまうほどだ。
先ほど触れたように、爆サイの一般掲示板では、1日数千件の有料求人が掲載されている。得られる利益はかなりのものだ。普通の企業ならば、まずはこのビジネスモデルをしっかりと守ったうえで、「闇バイト」をどう排除していくかという発想になる。「対策が甘い」「本当にやる気があるのか!」と社会から叩かれても、「ビジネスの防御」を優先する。
この対応で分かりやすいのは、メタ(旧フェイスブック)だ。同社は有名人を使った偽広告が問題となり、被害者も出ている。有名人らが厳しい取り締まりや対策を求めたが、メタの対応は不十分と見なされ批判を浴び、実業家の前澤友作氏に提訴されてしまった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
「辞めたけど良い会社」 ランキング ワースト30社の特徴は?
辞めたけれど良い会社は、どのような特徴があるのか。IT業界で働いた経験がある人に聞いた。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのか
地図を扱うゼンリンが都道府県のカタチをしたピンバッジを販売したところ、想定以上に売れている。47種類を販売して、どの都道府県が最も売れたのか。トップは……。
