Stray KidsにTXT 韓国インスパイア・アリーナが「K-POPの聖地」に:エンタメ市場の起爆剤
韓国の仁川国際空港西側に位置する統合型リゾートのインスパイア・エンターテインメント・リゾートは、同施設に併設したインスパイア・アリーナで3月までに開催するK-POPアーティストの公演ラインアップを発表した。
韓国の仁川国際空港西側に位置する統合型リゾートのインスパイア・エンターテインメント・リゾート(インスパイア)は、同施設に併設したインスパイア・アリーナで3月までに開催するK-POPアーティストの公演ラインアップを発表した。K-POP公演を核とした多様なコンテンツを展開。国内外の観光客を送客することによって「K-POPの聖地」としての地位確立を狙う。
2PMイ・ジュノ、BIGBANGのSOL、Stray Kids、TXT 「大物」が続々公演
インスパイア・アリーナは、韓国初の多目的アリーナで、収容人数は1万5000人を誇る。
インスパイアがアリーナでのコンサート誘致に注力する背景には、韓国国内に1万人以上の大規模会場が不足しているという物理的な課題がある。同社は「K-POPという大きな市場があるのにもかかわらず、驚くほど(アリーナが)少ない」と指摘していた。担当者は以下のように話す。
「韓国は、スタジアム、体育館など別の目的で建設された会場ばかりで、コンサートを前提としていないため、導線、音響施設などはあまり考えられていないのが実情です。インスパイアのアリーナはそれらに対応した設計をしています。音響も素晴らしく、どの角度からの客席であってもアーティストが見やすくなっています」
その通りで、インスパイアのアリーナには最新の音響設備を備えている。視界を遮らない座席構造により、観客がステージを存分に楽しめる設計だ。アーティストのパフォーマンスを最大限に引き出す舞台設備も完備し、高い評価を得ている。インスパイア・アリーナは単なる会場ではなく、アーティストと観客双方にとって唯一無二のポジションを築いていくという。
立地も大きな強みだ。仁川国際空港から自動車で15分の距離にあり、ソウル市内の主要エリアと結ぶ無料シャトルバスを常時運行させている。国内外から訪れる観客にとって利便性の高い環境を整えた。
1月には2PMのイ・ジュノ、2月にはBIGBANGのSOLが公演をした。今後は2月14〜16日にはStray Kids、3月7日〜9日はTOMORROW X TOGETHERといった世界的な影響力を持つアーティストが公演予定だ。2025年はさらに多くのK-POPアーティストのソロデビューからワールドツアー、ファンミーティングまで多彩な公演を開催し、K-POP市場の成長をリードするプラットフォームとしての機能を強化していく。
インスパイアは、米モヒガン社が開発・運営。投資額は約2兆ウォン(約2200億円)で、敷地面積は430万平方メートルに及ぶ。広大な施設内には5つ星ホテル、高級レストラン、ショッピングエリア、デジタルアート施設、屋内外のエンターテインメント施設を完備。観客は公演以外のエンタメも楽しめるようにした。
狙いはLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)の向上だ。ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標をLTVというが、LTVを増やすには、リピーターをどれだけ抱えられるかがカギとなる。担当者は「常にリゾートを刷新し、新しいものを打ち出していくことが重要」だと話していた。
「この規模の施設になると、皆さん1度は来てくれます。しかし、リピーターになってもらうには、新しい体験を常に届けることが重要です。アリーナは最先端の設備を備えていますから、コンサートを開いた後も各方面から『ワンランク上の演奏・鑑賞体験ができた』と好評なフィードバックをいただけています。K-POPのコンサートでも、徐々に日本の方々に認知いただいていて『推しがコンサートをした施設に泊まる』といった形で、新たなコンサート、韓国旅行の楽しみ方を提供できています」
インスパイアは、今後もK-POPだけでなく、スポーツイベントやeスポーツ大会、国際カンファレンスなど、多様なイベントを開催。国内外の観光客を積極的に誘致していく。特に韓国から近い距離にある日本市場への訴求力は大きい。統合型リゾートの特性を生かし、韓国エンタメ市場のさらなる起爆剤となりそうだ。
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