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DeepSeek-R1とOpneAI「o3-mini」を徹底比較 性能面から見た賢い使い方は?その悩み、生成AIが解決(4/4 ページ)

DeepSeekをユーザー視点で性能面などに注目した場合、どの程度使えるサービスなのだろうか? 同社の推論モデルDeepSeek-R1と、OpneAIの最新の推論モデルo3-miniを比較し、使いどころを探ってみた。

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DeepSeek利用時に注意すべきこと

 十分な性能を有しているとはいえ、冒頭でも触れたとおりDeepSeekの利用には注意すべき点もある。DeepSeekの利用規約では、同社のサービス上で入力したデータはモデルの改善などに利用するとしている。

 ChatGPTやGoogleのGeminiの場合は、入力内容をAIのモデル改善に利用させない設定(オプトアウト)を選ぶことが可能だ。また、企業や組織での利用を想定したプランでは、あらかじめ入力データがモデル改善に利用されない規約となっている。一方で、DeepSeekにはオプトアウトの機能がなく、業務利用向けのプランも用意されていない。


DeepSeekの設定画面。オプトアウトの項目などはなく、Terms of Use(利用規約)とプライバシーポリシーへのリンクが表示される

 つまり、「入力データがトレーニングに利用される」ことを前提に使うことになる。そのため、一般的な調べものやアイデア出しなど、当たり障りのない情報に使うのが無難だろう。

 例えば、先述の用例でいえば、具体的な商品情報などを入れる必要のないキャッチコピー作成は問題ないだろう。制限なく利用できる強みを生かし、キャッチコピーの方向性を少しずつ変えながら大量の候補を出力するといったことも可能だ。また、調べものについても、追加のプロンプトで詳しく調べたいトピックを指定しながら掘り下げるような用途で使う場合に、回数を気にせずに済むのは強みとなる。

 一方で、カスタマーサポートの会話を入力するような用例は、情報漏えい対策という意味で避けたほうが無難だろう。このほかにも、メールの返信を考えたり、会議の議事録を作成したりといった用途も慎重になったほうがいいかもしれない。用途を選んで使うことが重要になる。

特徴を理解して賢くつき合うモデル

 今回比較対象としたOpneAI o3-miniをChatGPTの無料ユーザーが利用する場合、利用回数に制約が生じる。筆者の手元の環境で試したところ、10回続けて利用したタイミングで制限がかかってしまった。

 そういった制限を気にせずに無料で推論モデルを利用できるのDeepSeek-R1の魅力だが、実は現時点では「無料の推論モデル」にはもう一つ選択肢がある。それが、現在試験版が提供されているGeminiの推論モデル「Gemini 2.0 Flash Thinking」だ。Googleは現在、このモデルを全てのユーザーに提供している。

 つまり現時点では、無料で推論モデルを使いたければGemini 2.0 Flash Thinkingを選べばよく、必ずしもDeepSeekを利用する必要はない。ただし、Gemini 2.0 Flash Thinkingは試験提供段階なので、正式提供開始の段階で有料ユーザー向けに切り替わる可能性もあるかもしれない。その場合には、無料で使えるDeepSeekが有力な選択肢になる。

 また、モデルごとに回答の方向性が異なることは多いので、セカンドオピニオン、サードオピニオンが欲しいときに他のモデルに加えてDeepSeekで出力してみるという使い方もアリだろう。

 既存のAIツールとの完全な置き換えではなく、他のサービスとの併用を前提に、用途を選んで利用するのがDeepSeekの賢い使い方といえそうだ。

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