インタビュー
“推し”を訪ねて三千里 会社を辞めたその先は? タイで見つけた新しい働き方(3/6 ページ)
“推し”中心の生活にするため、会社員という安定を手放しフリーランスになり、2023年7月からバンコクで新たな生活をスタートさせた古田さん。初めての独立や仕事探しへの不安を払拭できたのも、まぎれもなく“推し”のおかげだった。
昭和スタイルの職場と“推し活”の狭間で
そんな中、古田さんがキャリアを考える上での転機が訪れた。2022年3月での部署異動だ。前の部署では裁量があり、業務に工夫の余地もあった。しかし、新しい部署は真逆だったのだ。
電話で受けた注文をわざわざ紙に印刷し、印鑑をもらって決裁をとるような昭和スタイル。残業は常態化し、社員の定着率も低い。他部署から何とか人員を確保しても、別の誰かが辞めるという負のスパイラルに陥っていた。
有休を取ることもままならず、ストレスで仕事が回らなくなり、精神的に追い詰められていった。帰宅後、皿洗いをしながら突然涙がこぼれる日々。
「何の工夫も許されない環境で、何のために働いているのか分からなくなりました。本当に辛くて、人生を終わらせたいとまで思ったんです。でも、そこで踏みとどまれたのは“推し”の存在があったから。働きながらコツコツ貯めたお金があるのに、ここで終わるのはもったいない。全財産を使ってバンコクで楽しく暮らそう。そうすれば“推し”にも会える!そう考えたら、心が軽くなったんです」
冗談交じりに「来年にはバンコクに移住するから!」と友人や家族へ宣言。移住ができそうな環境かを見極めるため、2022年10月に初めてタイに渡った。
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