SNSで度々バズる「食べられる緩衝材」 意外な正体とは(1/2 ページ)
SNSで「食べられる緩衝材」が話題だ。昨今プラ緩衝材からの脱却を進める企業の多い中「食べられる」とはどんな緩衝材なのか。販売している企業を取材した。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
配送に使う緩衝材といえば、川上産業の「プチプチ」など気泡緩衝材が一般的だが、世の中には「食べられる緩衝材」があるのをご存じだろうか。
素材はポップコーンで、パッケージには「食べられません」ならぬ「食べられます」と記載があり、SNSでもたびたび話題になっている。食べられるだけでなく、ワインや青果、精密機械の緩衝材としてももちろん使えるという。
プラスチックから食品への置き換えは、SDGsの観点で効果がありそうだ。どういう背景で開発に至ったのか、販売しているあぜち食品(高知市)に取材した。
食品メーカーが「緩衝材」を発売した理由
食べられる緩衝材はたびたびSNSで話題になっており、年末には通販で買った商品の緩衝材に使われていたという内容のXポストが「15万いいね」に加えて2万弱のリポストを記録した。投稿者は高知の商品を購入したといい、食べられる緩衝材を販売しているあぜち食品も、高知県の企業である。
あぜち食品はポップコーンや豆菓子、さきいかなどのおつまみを生産する食品メーカーで、主に四国内の食品スーパーやECで商品を販売している。どういう背景で緩衝材の商品化に至ったのか聞くと、担当者は次のように話す。
「当初はECで豆菓子や石チョコを購入した方に、当社の商品PRとしてポップコーンを入れていました。そのことを知った友人に『このポップコーンって緩衝材に似ているね』といわれたことでアイデアを得て、それ以降は『おまけ』としてではなく『緩衝材』としてポップコーンを入れるようにしました」
当初は「食べられる緩衝材」と手書きしたシールを袋に貼っていたが、客の一人が旧ツイッターに投稿。3日間で4万リツイートを記録し、注文が殺到したことで商品化に至ったという。現在のようなパッケージを採用したのは2018年で、販売価格は40グラム×5個入りで650円ほどだ。
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