会社を迷走させる“DXアオリ虫”の生態 流行語に踊らされる経営の末路(1/5 ページ)
デジタル化を進めるものの、肝心の変革は一向に進めず、結果的にお金のムダ遣いをしてしまう人が増えている……。
この記事は、『組織をダメにするのは誰か? 職場の問題解決入門』(岸良裕司/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
【名称】DXアオリ虫
【主な生息地】 IT会社、コンサル会社、企業のIT部門、新しいバズワードが好きな経営幹部、マスメディア、行政、政府など
【特徴】 キラキラとした羽が特徴で、腹が黒く、発見は容易。主な被害として、デジタル化は進んだが肝心の変革は一向に進まない、お金のムダ遣いなどがある。コンサルやIT企業では会社を儲けさせる「益虫」として飼育されている。
会社をキラキラさせる「DXアオリ虫」
「うちの会社、デジタル化は進んだけど、肝心のトランスフォーメーション(変革)はできたのだろうか?」
こんな疑問を持っているなら、「DXアオリ虫」があなたの職場に忍び込んでいる可能性が高い。DXアオリ虫が職場に現れると、デジタル人材教育などが熱心に行われたり、「ペーパーレス化」というスローガンのもとで様々な業務のデジタル化が検討されたりする。
またたく間に社内のあちこちで繁殖し、あっという間に経営方針にまでキラキラとしたDXの文字が躍るようになり、「DX推進室」のような部署ができることもある。
こうした部署がさらにDXアオリ虫を増殖させ、社内を混乱に陥らせることが報告されている。
DXアオリ虫の多くは業務のデジタル化(D)を得意としている。だが、実務経験に乏しく、肝心の変革(X)は苦手だ。「DX研修」と称した社員教育プログラムに変革(X)の要素が入っていないケースも多い。
「まぬけ」という言葉を広辞苑で調べると「することにぬかりがあること」とある。変革の要素がないDX研修は「まぬけなDX」を職場に広め、デジタル化=DXとの勘違いを蔓延させる。
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