Open AI Deep Research、クオリティーで他を圧倒 「AIエージェント」使い分けの最適解は?:その悩み、生成AIが解決【番外編】(3/3 ページ)
この2カ月ほどで「Deep Research」などの名称で提供されるリサーチ型AIエージェントが続々と登場した。2024年12月の「Gemini Deep Research」のリリースに始まり、Open AI、Perplexity、Genspark、xAIも同様のサービスをローンチ。早くも激戦状態となっている。それぞれのサービスの比較から見えてきた強みや特徴、使い分けの最適解を紹介したい。
複数のツールを効果的に併用する
各社のリサーチ型AIエージェントを調査の詳しさで分けるなら、以下の3タイプに分類できる。ここでは便宜上、「徹底型」「バランス型」「手間なし型」と呼んでいる。
徹底型:ともかく詳細にリサーチを実施したいとき
⇒Open AI Deep Research
バランス型:中程度の詳しさでバランスよく情報を集めたいとき
⇒Gemini Deep Research/Genspark Deep Research
手間なし型:軽めのリサーチを短時間で実施したいとき
⇒Perplexity Deep Research/Grok(Deep Search)
ツール選びにあたっては、どのタイプの調査をするのか、現在どのサービスで有料プランに加入しているのかを考慮して複数のツールを組み合わせるのがよいだろう。
例えば、ChatGPT Plusユーザーの場合、Open AI Deep Researchは1カ月あたり10件までしか利用できない。そこで、まずは一定回数まで無料で使える「手間なし型」のPerplexity Deep Researchを使って調べ、思うような結果が得られないときのみ「徹底型」のOpen AI Deep Researchを併用するといった組み合わせが考えられる。
Geminiの有料プランに加入していて、他のツールは無料で利用している場合なら、基本的に「バランス型」のGemini Deep Researchを使い、すぐにリサーチ結果が欲しい場合のみ「手間なし型」のGrokのDeep Searchを利用するといったスタイルがいいかもしれない。
Open AI Deep Researchを、制限を気にせず使うには月3万円の最上位プランへの加入が必要になるが、全てのリサーチでこのレベルのレポートが求められるわけでもない。オーバースペックなツール選びはコスト増になるので、リサーチの目的と費用のバランスを考えたうえで、自身の用途に合った“布陣”を決めるのがよいだろう。
AIと人間の協業のあり方が変化
AIの進化にともない、人間がものを調べるときのスタイルは大きく変わった。
ChatGPTが登場したばかりの2年前は「生成AIを検索代わりに使わないほうがいい」などといわれていた。当時のChatGPTは標準ではWebの情報を参照できず、誤情報が出力されやすかったためだ。
2024年は、検索に特化したAIツールの選択肢が一気に増えたことで「Google検索の代わりにAIに聞く」という新しいスタイルが定着した。
そして今回、リサーチ型AIエージェントが登場したことで、「専門性の高い情報を詳細に調べる」作業も、かなりの部分をAIに任せられるようになった。
もちろん、AIに全てを丸投げできるわけではなく、出力された内容のチェックやその情報を使うかどうかの判断は、人間自身で行う必要がある。実際、Open AI Deep Researchでも、古い情報が引用されたために出力されたレポートが不自然な内容になってしまうケースを確認している。読みやすいレポートとしてまとめられている分、見落としやすさが増しているともいえるので、入念な確認作業は不可欠だ。
それでも、リサーチ作業のなかでも特に地味で時間のかかる下調べのプロセスを代行してもらえるようになったことは大きい。浮いた時間をAIがリサーチしてきた内容の掘り下げに使えば、最終的なアウトプットのクオリティーの向上につながるかもしれない。
AIに依頼できることと、変わらず人間がやるべきことの切り分けを意識して、現在の技術で可能な協業のベストな形を選ぶことがより重要度を増していくだろう。
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