「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
米国の巨大ショッピングモールは今どうなっているか
先ほど述べたように、これから若いファミリーはどんどん減っていくので、テナントの空きが増えていく。そのスペースをロボット倉庫や配送センターとして活用していく。ノルウェー発の「オートストア」のように、キューブ型のロボットストレージを積み上げるようなシステムを活用すれば、それほど広大なスペースは必要はない。実際、海外では店舗のバッグヤードにこのようなシステムを導入して「スマート倉庫」として活用するケースも増えている。
つまり、人口減少ニッポンでイオンモールが生き残っていくには、これまでのテナント収入だけではなく、物流と「スマート倉庫」でも稼いでいくビジネスモデルの転換が求められるのではないか。
「ショッピングモール」という形態が生まれた米国では国内がモールだらけになって、「デッドモール」などと呼ばれる廃墟化した施設もできた。しかし、一部ではアマゾンなど宅配・物流企業が「居抜き」として買い上げ、フルフィルメントセンターなどに再利用している。
よく「米国の今は日本の10年後の姿」といわれる。もちろん、国民性や社会制度が違うので、全てに当てはまるものではないが、ショッピングモールに関してはかなり当たっているのではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「ゲオのスウェット 658円」の衝撃 ペラペラなのに、なぜ「週に1万着」も売れるのか
DVDやCDをレンタルできる「ゲオ」の店内は、どうなっているのか。レンタル事業は縮小しているので、店内はテレビやゲームなどが並んでいるが、そんな中で「スウェット」が人気だという。その理由は……。
自分で淹れたら70円、店員が淹れたら700円 モンカフェが“変わった店”を営業しているワケ
東京・渋谷のキャットストリートに、ちょっと変わったカフェが登場した。自分がドリップすれば1杯70円、店のスタッフが注げば1杯700円。価格差10倍もあるカフェの狙いは何か。担当者に聞いた。
「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのか
地図を扱うゼンリンが都道府県のカタチをしたピンバッジを販売したところ、想定以上に売れている。47種類を販売して、どの都道府県が最も売れたのか。トップは……。


