紅茶花伝から“甘くない”新商品 ロイヤルミルクティーに次ぐ「第2の柱にしたい」:プロダクトInsights
コカ・コーラシステムは3月10日、「紅茶花伝 無糖 アールグレイアイスティー」(希望小売価格180円)を発売した。昨今、健康意識の高まりなどから無糖の紅茶が人気を集めていることを受け、無糖アイスティーを本格展開する。
プロダクトInsights
日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
コカ・コーラシステムは3月10日、「紅茶花伝 無糖 アールグレイアイスティー」(希望小売価格180円)を発売した。紅茶花伝はこれまで、定番商品のロイヤルミルクティー、ピーチティーやオレンジティーといったフルーツティーなど、甘い紅茶を主軸に商品展開してきた。昨今、健康意識の高まりなどから無糖の紅茶が人気を集めていることを受け、無糖アイスティーを本格展開する。
無糖 アールグレイアイスティーには、セイロン茶葉を100%使用している。柑橘系のさわやかな香りとすっきりとした味わいが特徴だ。開発担当者である日本コカ・コーラの田中惇也氏(マーケティング本部 止渇系無糖茶・機能性茶・紅茶事業部)は「ティーポットで抽出する工程と同様に機械的な力を加えず、かつ高温・短時間抽出を採用することで、苦みや渋みを抑えたクセのない味わいに仕上げた」と説明する。
本体は650ミリリットルと、紅茶花伝の他の商品より大きいサイズだ。止渇系飲料としてごくごく飲めるように、あえて大容量を採用したという。
田中氏によると、RTD(Ready to Drinkの略で、容器入り飲料のこと)の紅茶飲料市場はコロナ禍による落ち込みから回復し、堅調に推移している。これを後押ししているのが、無糖紅茶だ。
無糖紅茶が好まれる要因として、田中氏は紅茶の“情緒感”を挙げる。「華やかな香りやさわやかな後味は、他の止渇系飲料にはない紅茶独自の価値。喉の渇きを解消するだけでなく、仕事の合間のリフレッシュや息抜きといった飲用シーンを見込める」(田中氏)
無糖紅茶の好調を追い風に、田中氏は「無糖アールグレイアイスティーを、紅茶花伝の第2の柱にしたい」と意気込む。甘くない紅茶花伝の新商品は、消費者の支持を得られるか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
日本コカ・コーラが“おにぎり”とコラボ!? 「綾鷹」生みの親に聞く差別化の要点
緑茶業界では飲料大手がしのぎを削り、マーケティング合戦を展開している。2007年の綾鷹ブランド創設に関わり、現在もブランドのマーケティングに携わる日本コカ・コーラ マーケティング本部緑茶事業部部長の助川公太さんに聞いた。
43年続く「リアルゴールド」 データを駆使した日本コカ・コーラのリブランド戦略
時代の変化を受けて、リブランドを進めているのがエナジー飲料「リアルゴールド」だ。アーティストYOSHIKIや『キングダム』などのアニメとコラボし、5200万ダウンロードを突破したアプリ「Coke ON」によって緻密なマーケティングを試みている。
自販機に近付くと、スマホがぶるぶる 日本コカ・コーラ自販機の「新機能」は誰を救うのか
日本コカ・コーラは、コークオンアプリと自販機を連動させた取り組みなどを進めている。アプリで自販機を探すと、近付くにつれスマホがぶるぶると震えるなど新機能を追加した。新機能搭載について、どのような思いがあるのか?
ジョージア=「おじさん」から脱却 ブランド刷新で、スタバやタリーズから奪う客層とは?
日本コカ・コーラは、ペットボトルコーヒー「ジョージア」をブランド刷新し、3月20日から新製品を発売する。「1975年にジョージアが誕生して以来、最大規模のブランド刷新になる」(同社マーケティング部コーヒー事業部の朴英俊部長)と意気込む背景には、ジョージアを含むRTD(Ready to Drinkの略で、容器入り飲料のこと)コーヒー市場の課題があった。


