結婚式費用の「透明化」、どう実現? 業界の常識を揺るがす、ブライダル3社の取り組み:業界を超え、保険企業の成功事例に学ぶ(2/3 ページ)
今、ブライダル業界が大きく揺れている。ウエディングパークでは、今ウエディング業界に求められているのは「透明化」ではないかと考え、さまざまな取り組みを進めている。本記事では、ライフネット生命が実践する保険料の開示の取り組みのほか、ウエディング業界における「価格不透明問題」を解決するための費用シミュレーションサービスを導入している企業の生の声を紹介する。
消費者に「リアルな価格感」を伝える ウエディング業界の取り組み
ウエディング業界でも、費用の透明化に取り組む動きが出てきた。
ウエディングパークは2024年11月、結婚式費用のリアルなシミュレーションができるサービス「mieruupark」の全国結婚式場への販売を開始した。
結婚式場が提供する正確な料金データと過去の注文実績データをもとに、式場見学前に費用のシミュレーションができるようにした。
機能は大きく分けて2つ。1つは「カンタン事前見積り」で、人数ごと、費目(衣装、装花、料理など)ごとに実際の費用を確認し、オリジナルの見積を作成できるサービスだ。招待人数や料理のランク、衣装の価格帯を、事前に“リアルな数字”で見積もりに反映できるようにした。
例えば、ウエディングドレス1着でも10万〜20万円程度のものもあれば、50万円を超えるものもある。初回見積もりでは最低限の項目、価格しか登録していない場合もあるため、実際の利用者が「何にいくらかけるのか」を事前に検討し、リアルな価格感を知れるようにする。
2つ目は「支払総額分布」で、過去に挙式を挙げたカップルが実際に支払った総額の分布を可視化した。ゲスト100人を呼んだ場合でも、総額250万円に抑える人もいれば、400万円以上支払う人もいる。実際の分布を見ることで、顧客が金額感を理解できるようにした。
ウエディングパークは、結婚式はリピーターがいないため、どうしてもカップルと式場の情報格差が大きくなってしまい、結果として「価格が不透明である」という印象を持たれてしまうと指摘。
「お客さまのニーズにお応えし、結婚式の在り方が多様化した結果、どんどん結婚式が複雑化してしまい、価格感をお伝えするのが難しくなってしまったことも影響しています」(ウエディングパーク mieruupark企画開発責任者 松尾美緒氏)
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