熾烈なIT人材争奪戦、ポイントは? 必要なのは「お金」だけじゃない(3/4 ページ)
IT人材の争奪戦を各社が繰り広げる中、どんな点に留意すべきか。採用代行サービスを手掛ける企業「レイン」の代表に聞く。
海外IT人材、獲得・定着のポイントとは
レインでは採用代行の他、HRコンサルティングや採用サービスの活用支援を行う。コンサルティングでは、面接官のトレーニングも実施している。
「面接官のトレーニングでは、ITやDX人材を採るための『見極め方』を教えています。エンジニアの能力や心情面を理解する必要もありますし、採用活動では何よりエンジニアに興味を持つのが重要です。ミスマッチが起きると、入社後お互いが不幸になりますから」(芦川氏)
実際に、面接官を見て入社の可否を決めるエンジニアもいるようだ。転職サービス「doda」の調査結果によると、2025年1月におけるIT・情報人材の転職求人倍率は7.59倍。空前の売り手市場であり、主導権はエンジニア側にあるといえる。
足りない人材を補うため、海外に目を向ける企業も増えてきた。以前はインド・中国が人気だったが、現地の経済発展や円安によって彼らの日本で働くメリットが小さくなり、近年は東南アジアへのシフトが進んでいるという。
「数年前まではインド工科大学出身のエンジニアが人気でしたが、近年は米国企業もインド人材の採用に注力しています。人件費が高騰し、日系企業が手を出しにくくなりました。また、海外人材の採用には金銭面だけでなく、文化への配慮も重要です。『日本のやり方に合わせて』という手法では、海外のエンジニアは自社を選んでくれません。日本企業の“鎖国”的な部分を直す必要があると考えています」(同)
海外のエンジニアが日本語を習得して日本に住み、働くのはただでさえハードルが高い。もし海外人材を望むのであれば、現地に拠点を置き、そこで働いてもらう選択肢も手だと芦川氏は続ける。
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