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「氷河期世代」はなぜ報われないのか 国の支援では解決できない、これだけの理由:スピン経済の歩き方(5/8 ページ)
「就職氷河期世代」に対する国の支援策が話題になっている。しかし本当に必要なのは、その場しのぎの「支援」ではなく……。
就職氷河期世代に追い討ちをかけたのは……
もちろん、これにはバブル崩壊もある。しかし、その中には生産年齢人口の減少のせいで、「会社を立て直そうにも働き手が確保できない」「客が減ってこれまでの商売が成立しない」という形での廃業・倒産もかなりあった。
このような「企業大激減時代」が、1990〜2000年代に社会へ巣立った世代に、どれほどの影響を与えたかは容易に想像できる。
さらに、この世代を追い討ちをかけたのは「他の世代よりも人口が多い」ことである。
企業数は1989年にピークを迎えたが、その後も子どもの数は増え続けた。
企業数の減少が始まる1989年の翌年、1990年の大学卒業者数は約40万人だった。それが1995年になると約49万人、1998年には約53万人、2005年には約55万人まで増える。
要点をまとめよう。日本の企業数は、1989年から2004年までにおよそ90万社が減っている。一方、大学卒業者数の同じ時期を見ると、15万人も増えている。
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