「働き方改革」で成長する人、停滞する人――違いはどこにあるのか:新入社員の教科書(1/3 ページ)
長時間労働の是正が進み、企業は社員の働きやすさを重視する時代に。社員を守る経営が常識となる一方で、働き方改革を「ラクをする機会」と捉えるか「成長のチャンス」と捉えるかで、キャリアの未来は大きく変わりそうだ。
この記事は『新入社員の教科書 「伸びる人」の習慣 「伸びない人」の習慣』(菅沼勇基/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
長時間労働で疲弊すると、人間関係はギスギスしてきます。人は疲れていると、他人に対して優しくなれないものです。それがひいては離職率の高さにつながっている面もあるでしょう。
しかし、近年は働き方の見直しが進んでいて、長時間労働は是正されつつあります。
かつては無理な長時間労働のために部下が退職してしまっても、上司がとがめられることはあまりありませんでした。しかし、いまでは部下が辞めてしまった上司は、「マネジメント能力がない」と見られて、評価が下がってしまいます。
また、かつてのワンマン経営では、社長がトップダウンで部下に営業の指示をしておけばいいという考え方がありました。目標が達成できなければ叱責して、ときに罵倒して奮起を促せば、やる気を掘り起こすことができると思われていました。しかし、いまの社長は社員の心情に配慮したマネジメントをしなければならなくなっています。
接客業でも、社員の精神衛生にかなり配慮するようになってきています。これからは、お客さまからのクレームに対しても、これまでのように平身低頭で謝るのではなく、理不尽な内容に関しては毅然と対処する企業が増えてくるはずです。理不尽なクレームで社員が疲弊して辞められてしまっては、企業にとっては大損害だからです。
社員がいなければそもそも事業ができないのですから、一部の傲慢なお客さまより社員のほうを大切にしようとするのは、当たり前といえば当たり前でしょう。
女性に対する社会の認識も、いまは昔と比べてかなり変わりました。
わが社は男性の多い不動産業界には珍しく、社員の男女比率が5割ずつです。これは現代の社会を反映しています。
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