絶好調「オーケー」を倒せるか トライアル&西友タッグが秘めている巨大な可能性:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
小売業界再編のきっかけにもなりそうだった「西友」の売却先がトライアルHDに決まり、大きな話題となった。スーパーとしては「新参」であるトライアルだが西友との相性は良さそうだ。流通業界に詳しい筆者が、その可能性を解説する。
うどん39円、ロースかつ丼299円――「生活必需店」にも納得の価格破壊
埼玉県にある、トライアルの中でも「スーパーセンター」と呼ばれる、最も標準的な店舗に足を運んだ。スーパーセンターとは、食品スーパーとホームセンターを合わせた業態で、食品とともに、生活雑貨や、家電にペット用品なども販売している。
しかも、ディスカウンターなので全般に「激安」な印象を受ける。関東なら「ビッグ・エー」、関西なら「ラ・ムー」といった食品スーパーに、ホームセンターの「コーナン」や「コメリ」を足して2で割ったような店といった感じだ。
特に食品の価格には驚いた。うどんは1玉39円。食パン1斤(6枚切、8枚切)は95円で、納豆が3パック65円。米は「北海道のお米」というブレンド米を4キロ2999円で販売していた。
弁当や総菜では「三元豚ロースかつ丼」が299円、「たっぷり玉子サンド」は199円。おにぎりは最も安いもので59円と「これで利益が出るのか」と思えるほどの安さだ。生活雑貨では、歯ブラシが29円。ストレッチパンツ「ノビルノ」(998円〜)は、ワークマンに負けない価格破壊ぶりである。トライアルはノビルノのCMにおいて自らを「生活必需店」と呼んでいるが、確かに近隣住民からしたら必需店舗というくらいの存在感がありそうだ。
気になるのが、利益をしっかり出せているのかだ。営業利益は191億円で、売上高営業利益率は、2.7%ほど。決して高くはないものの、しっかりと利益は出ている。
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