入場料1万円超えは当然 ディズニーやUSJの止まらない値上げが、「消耗戦」を招くワケ(1/5 ページ)
次々と値上げとなる遊園地の入場券。値上げにより、入場者数が減って来園者が快適に過ごせるというメリットもあるようだが、果たして来園者はそれをきちんと享受できているのか……。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)の入場券が値上がりするという。USJだけではなく、東京ディズニーリゾート(以下、TDR)や、その他のテーマパークでも入場料の高騰が続いている。値上げの背景や、そのメリットとデメリットについて考察していこう。
どんどん高くなるテーマパーク
USJは5月から、1日入場券「1デイ・スタジオ・パス(大人)」の最高価格を1万1900円とする。現行の価格から1000円の値上げだ。これによって、横並びだったTDRの1日入場券「1デーパスポート(大人)」の最高価格1万900円を上回る。USJは2010年以降、ほぼ毎年値上げを行っていて、開園時と比較するとチケット料金は約2倍となっている。
本原稿の担当編集者も最近USJを訪れたらしいが「ユニバーサル・エクスプレス・パス4と、1デイ・スタジオ・パスをそれぞれ購入したら、1人約2万7000円かかった」とのこと。飲食代やお土産代なども含めると3万円以上の出費になったそうだ。
担当編集者の言うユニバーサル・エクスプレス・パスとは、アトラクションの待ち時間を短縮して乗れる、ファストパスのようなチケットだ。アトラクションに早く乗りたい場合は購入する必要がある。大人は2950円からだが、これだと待ち時間なしで乗れるのは1種類のアトラクションのみ。4つのアトラクションの待ち時間を短縮するチケットは6800円から、7つだと1万800円から、全アトラクションだと3万5200円からとなっている。
TDRも、コロナ禍以降値上げを繰り返しており、2023年にはチケットが1万円を超える日も出ている。USJと同じく、アトラクションへの優先搭乗券「ディズニー・プレミアアクセス」も有料で、こちらは1枚1500〜2500円程度だ。
オリエンタルランドが発表しているファクトブックによれば、2023年4月時点でのディズニーリゾートの1人当たり売上高は1万6644円。この数値は2020年以降、毎年ほぼ1000円ずつ高くなっている。着実に客単価を上げているのだ。
東のTDRと西のUSJ。どちらもかなりの値上げを実施している。
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