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かっぱ寿司の食べ放題「食べホー」は、起死回生の策となるか? (2/3 ページ)
かっぱ寿司の食べ放題「食べホー」が人気だ。期間限定としながら、反響を受けてどんどんと延長している。人気の背景やかっぱ寿司の戦略を探る。
「4000円」は高い? 安い?
価格だけ見ると、70分で約4000円という設定は決して安くない。焼肉やしゃぶしゃぶといった他業態も選択肢に入る価格帯である。そもそも、以前の食べホーは2000円前後で提供していた。昨今の物価高により値上げを余儀なくされたようだ。
高単価メニューも一部除外している。例えば、110円皿のサーモンは食べホーに含むが、210円皿のとろサーモンは対象外。490円のパフェも除外している。質より量を求める消費者向けのサービスといえるだろう。
4000円の設定でどれほどの「お得感」があるのだろうか。マルハニチロの調査結果によると、回転寿司における支払額のボリュームゾーンは1000〜2000円で、皿数は10皿ほど。価格帯を考慮すると、かっぱ寿司の客単価は男性で1500円前後と思われる。通常より少し多く食べたぐらいでは「大損」となってしまう。
かっぱ寿司によると、3月における食べホー参加者の平均飲食額は6400円。少なくとも「元はとれた」人が多いようだ。握りだけで達するには困難な額であり、高単価なサイドメニューの注文も多いと思われる。
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