退職も定着も「伝染」する? Z世代を左右する「同期」の存在
新入社員を「コホート(同時期入社の集団)」としてまとめ、共同で研修を受けさせることで、離職率の低下とチームの安定性の向上が期待できる――こうした研究結果が「Journal of General Management」で発表された。
新入社員を「コホート(同時期入社の集団)」としてまとめ、共同で研修を受けさせることで、離職率の低下とチームの安定性の向上が期待できる――こうした研究結果が「Journal of General Management」で発表された。
特にZ世代では、その傾向が顕著だ。米サウスフロリダ大学と米シンシナティ大学によると、Z世代の65%が入社から1年以内に離職。 こうした状況を受け、サウスフロリダ大学の助教授アミット・チャウラディア氏は 「本研究は、戦略的なコホート管理によって従業員の定着率を高められる可能性を示している」と述べた。「採用時に勤務地に対する希望を聞き入れ、コホート内で良好な体験を提供すれば、離職リスクを低減できる可能性が高い」(チャウラディア氏)
退職は連鎖する コホートの影響力はあなどれない
研究チームはグローバルに拠点を持つITサービス企業において、32のコホートに属する新入社員650人を対象に調査を行った。その結果、コホート内で「伝染効果」が見られた。あるメンバーが転職活動を始めると、他のメンバーにもその行動が波及し、最終的には離職に至る傾向があると確認されたのだ。
研究者たちは、コホート内での社会的つながりが、新入社員を企業に定着させる要因にも、離職を促進させる要因にもなり得ると指摘している。企業はコホートを単なる「同時入社者の集まり」としてではなく、「社会的なグループ」として再定義し、その管理方法を見直す必要がある。
また、リーダーや採用担当者が、コホート内の結束を高め、個々の新入社員が組織の「一員である」と実感できるようにすることで、離職防止に大きく貢献できるという。採用時に勤務地に関する希望を尊重する姿勢も、定着率の向上に効果的だ。
「帰属意識」と「目的意識」を育む支援が重要
HR Diveの取材に応じた専門家たちは、特にZ世代の労働者が職場に適応するのに苦労している現状を踏まえ、「帰属意識」と「目的意識」を育む支援が重要だと述べている。 そのためには、12〜18カ月間にわたる長期的なオンボーディングプロセスが効果的であり、その中には、先輩社員の仕事を観察することやスキル向上支援といった要素を組み込むことが推奨される。
人材採用プラットフォームを提供する米Deelの分析によると、企業はZ世代の採用と定着に力を注いでいる。たとえ職場への適応が難しくとも、Z世代の人材が持つ「新興技術への対応力」や「学習・成長志向」は、企業にとって非常に価値のあるスキルなのだ。
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