「よーじや」はなぜロゴを変えたのか 社長が語る、舞台裏と再出発:120年企業の変身(3/5 ページ)
2025年3月、「よーじや」が60年ぶりにロゴマークを刷新すると発表。SNS上で賛否を巻き起こした。おなじみの手鏡に映る女性のロゴがなくなるわけではないというが、どんな狙いがあるのか。「ロゴ刷新の舞台裏」を國枝昂社長が語った。
新ロゴ、新「よじこ」に込めた思い
そうした脱観光依存戦略を進めるなかで、2024年初頭からロゴ変更にも着手。試行錯誤を経て、2025年3月にリブランディングを発表した。「京都発のライフスタイルブランドとして生まれ変わる」という意思を込めて、以下のようにロゴを変更した。
「これまでは、旧ロゴが『コーポレートロゴ』『ブランドロゴ』『商品ロゴ』を全て担っていました。野球で言うなら1から9番までを担うぐらい、全部があのロゴでした。広く認知されていて褒められる一方で、『生首だと思っていた』『怖い』という声も少なからずあったんです。何より、旧ロゴは『あぶらとり紙』を想起させるのが課題でした」
企業として長く存続していくには、あぶらとり紙屋から脱却すべき、そのためにロゴの刷新が必要だと判断した。そして、頭をひねって生まれたのが新ロゴであり、新よじこだった。
「ひと目で認識してもらえる旧ロゴのメリットは残したい一方で、『旧ロゴ=あぶらとり紙、お土産』というイメージは払拭したい。このジレンマに苦労しました。当初は手鏡に映る女性の姿は残しながら抽象化していく段階も踏みましたが、残しすぎるとイメージが変わらない。抽象化しすぎるともとのロゴの女性とは別人に感じてしまう、といった試行錯誤がありました。
最終的に、ブランドロゴは手鏡のシルエットのみを残して『よーじや』という名前をより認知していただく方向に。手鏡に映る女性は、コーポレートキャラクター・新『よじこ』としてリニューアルしました」
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