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無人店舗の真の価値とは? 「無人×古着ビジネス」に見る新たな可能性がっかりしないDX 小売業の新時代(2/2 ページ)

今回は、資本の小さな企業こそテクノロジーを活用することでビジネス機会が広がる事例を紹介。「無人店舗×古着ビジネス」の親和性について掘り下げていく。

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古着ビジネスと無人化の親和性

 古着店のビジネスモデルの核心は、優れた目利き力に基づく仕入れにあります。店主たちは海外からの大量輸入品、国内の古着卸売業者、生活者からの買取りなど、さまざまなルートから商品を確保します。一見すると何の変哲もない古着の中から価値あるものを見抜く能力は、このビジネスの最も重要な資産となっています。

 さらに近年重要性を増しているのが、サステナビリティ価値です。SHEINに代表される「ウルトラファストファッション」は、毎日数千点もの新商品を投入する、大量生産・大量消費を前提としたビジネスモデルです。それらが急成長するのと対照的に、環境負荷の少ない消費選択肢として古着への関心が高まっています。一着の服を長く大切に着る文化は、限りある地球資源への配慮と共鳴しています。

 このような古着ビジネスと無人化には、一見すると相反する要素がありそうですが、実は高い親和性があります。なぜなら、無人化によって得られるコスト削減と時間的自由度の向上は、さまざまな形で古着ビジネスの価値を高める可能性を秘めているからです。

 まず、レジ作業人件費の削減によって、より多くのリソースを商品選定に投入できるため、キュレーション価値が強化されます。

 また、スタッフの目を気にせず、ゆっくりと商品を吟味できる環境を提供することで、顧客体験も向上します。品ぞろえによっては、専門知識のあるスタッフにアドバイスを得たいという要望があります。それをかなえるためには、NOTIMEのようなハイブリッド形態が有望かもしれません。

 さらに、24時間営業などの柔軟な営業形態を実現できるため、より多くの顧客にリーチすることが可能になります。加えて、デジタル入店システムを通じて得られる顧客データを活用することで、より最適化されたサービス提供も促進できるでしょう。こうした利点が、古着ビジネスの本質的な価値と組み合わさることで、新たなビジネスモデルの可能性が広がっているのです。

 もちろん、課題も存在します。例えば、顔認証やLINE登録などのデジタル入店システムに対する心理的ハードルやプライバシーへの懸念、無人環境における商品の安全性確保、従来の古着店が持つ「人との出会い」という価値の喪失などです。

 STRAGE ZEROとNOTIMEは、まだ発展途上の取り組みではあるものの、それぞれのアプローチでこれらの課題に対応しています。STRAGE ZEROは高度なセキュリティシステムによる安心感の醸成、NOTIMEは有人・無人のハイブリッド運営による最適なバランスの追求という形で、無人化と古着店の本質的価値の両立を図っています。

 無人化は単なるコスト削減や効率化だけでなく、顧客体験の向上、新たな価値創造、そして持続可能なビジネスモデルの構築につなげることが重要です。

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