下町にも立ち始めた「タワマン」「億ション」 一体どんな層が購入しているのか(1/4 ページ)
マンション価格の高騰がとまらない。かつて湾岸部に立つことが多かったものの、近年は下町にも建設されることが増えている。一体どんな層が購入しているのだろうか。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
「億ション」といえば高価な富裕層向けのマンションを意味する言葉だが、都内の新築では多くが億ションという状況になりつつある。23区内における新築マンション1戸当たりの平均価格は2017年に7000万円を突破し、2023年には1億円を超えた。
23区内のマンション価格はなぜここまで高騰し、そして誰が買っているのか。億ションの実態に迫る。
23区と神奈川の「価格差」は10年で3000万円も増加
東京23区内の新築マンション価格は、この10年で倍近くまで上昇した。不動産経済研究所によると、2015年の平均価格は6732万円だったが、2017年に7000万円を超え、2023年に初の1億円超え。2024年も1億1181万円と大台をキープしている。
首都圏では特に23区内の上昇が著しく、2024年の平均価格は神奈川で6432万円、埼玉・千葉で5000万円台半ばだ。2015年における神奈川県内の平均価格は5000万円弱だったため、東京23区と神奈川の価格差は直近10年間で約1700万円から約4700万円まで拡大したことになる。23区内では2025年1〜2月に1億円を下回りかけたものの、3月に1億4939万円と急上昇した。港区など都心部で高額物件の供給が相次いだことが背景にある。
かつてマンション価格では「5000万円」が一つの基準だったが、今では3LDKでそれ以下の物件を探そうとすると、八王子以西や桶川以北など、都心から1時間以上のエリアまで離れる必要がある。分譲マンションは一般家庭では手を出しにくくなっており、賃貸へのシフトで家賃相場も上昇している。
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