人気スーパー「ロピア」が札幌に続々進出 トライアルやイオンがひしめく激戦区でどう戦うのか(3/3 ページ)
ロピアが北海道で出店を重ねている。2024年11月に道内へ初出店すると、この2月、4月、5月にも出店している。いずれもスーパー激戦区でのオープンであり、ロピアを含めて各社がどのような戦略で挑むのか注目が集まる。
北海道1号店で見た光景
北海道1号店である、ロピアの屯田店が営業するシーナシーナ屯田へ行ってみた。外壁はイトーヨーカドー時代のままの色で、看板デザインのみが変わっているとみられる。
館内には、フードコートや書店、100円ショップ、雑貨店なども営業している。数あるテナントの中でも、ひときわ人だかりができていたのがロピアだった。日曜日ということもあり、家族連れで大にぎわいである。
ロピアといえば肉が有名なので、肉売り場を目指す。陳列している商品は、いずれも比較的大容量のパックである。さまざまな味付けをしたものや和牛ステーキなどもあり、品ぞろえが充実している印象だ。OICグループの担当者は「メインターゲットは30〜40代の食べ盛りの子どもが2人いる4人家族と設定している。子どもも親も含め、家族みんながお腹いっぱいに食べていただきたいという思いがある」と容量の多さについて話す。
店内を回る中で、とあるブースに目を向けると「カートキー」と書かれた鍵があった。これは一体何なのか。
OICグループの担当者によると「当社ではコイン式カートを導入している。利用者が自分でカートに100円を入れて使用し、自分でカートをカート置き場まで戻す仕組みを採用することでカート回収の人件費を削減している」とのこと。カートキーを使えば、いちいち100円玉を用意する必要もなくなる。
コイン式カートは他のスーパーでも普及しているが、こうした施策を地道に実行することで人件費を極限まで削減し、商品をより安く提供しようとしている。
札幌に進出しているロピアとそれを迎え撃つスーパーとの競争は、これからも激化していくに違いない。各スーパーともに、今後、どのような戦略を打ち出していくのか注目だ。
著者プロフィール
小林英介
1996年北海道滝川市生まれ、札幌市在住。ライター・記者。北海道を中心として、社会問題や企業・団体等の不祥事、交通問題、ビジネスなどについて取材。阪神タイガースをこよなく愛しており、体は酒でできている。「酒はライフラインだ」を合言葉に、道内や東京などで居酒屋めぐりをするのがライフワーク。
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