2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

日本語教師はどう変わる? 資格にかかる費用、働き方、収入事情「ありがとう」と言われる(3/4 ページ)

国家資格化で注目される日本語教師の仕事。資格取得にかかる費用や働き方、収入の実態を分かりやすく解説し、新たなキャリアの可能性を探ります。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

(6)収入や働き方、資格取得にかかる費用

 非常勤講師の収入は、1コマ(45分)当たり2000〜3000円が目安で、勤務時間や担当数に応じて変わります。常勤講師(正社員)として働く場合は、月給20万〜30万円前後からのスタートが一般的で、経験やパフォーマンスに応じて昇給の機会があります。

 働く場所や時間を柔軟に選べる点も、日本語教師の魅力の一つ。 対面授業だけでなく、オンラインでの授業も主流となりつつあり、自宅から世界中の学習者を相手にする働き方も現実的な選択肢となっています。

 それでは、日本語教師になる具体的な方法を見てみましょう。一つは、文部科学省認定の養成講座(420時間以上)を修了し、国家試験(応用試験)に合格する方法です。講座の受講料はおよそ60万〜70万円かかりますが、体系的な指導と現場経験を積む機会があり、実践力を身につけながら学べます。

 国家試験の合格率は、第1回試験(2024年実施)の結果によると62.6%(第1回国家試験結果より)と比較的高く、初めてこの道に進む方や、着実に資格取得を目指したい方には特に適したルートと言えるでしょう。 

 もう一つは、国家試験の基礎試験・応用試験の両方に合格し、その後、文部科学省登録の実践研修を修了する方法です。このルートは受講費用が約20万円と比較的安価であり、時間や場所の制約がある方にとって柔軟な選択肢です。

 しかし、基礎試験免除のない一般的な受験者に限った合格率は9.3%(第1回国家試験結果より)と非常に厳しく、独学での受験には高い自己管理能力と十分な学習時間の確保が求められます。


日本語教師の収入は?(出典:ゲッティイメージズ)

 どちらのルートにもそれぞれの特徴とメリットがありますので、自身の状況や学習スタイルに合わせた選択が大切です。

 日本語教師の採用は、多くの場合に模擬授業が課されており、日本語教育の知識習得はもとよりすぐに教壇に立てる実践力のある教師が求められます。登録養成機関・実践研修機関は、国家試験に合格できるような指導と同時に、学習者ニーズの多様化に対応できる即戦力のある日本語教師の養成が求められています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る