「天下一品」閉店の背景は? 唯一無二の“こってり”に陰りが見える理由:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
天下一品の大量閉店が話題になっている。フランチャイジー側の店舗戦略が関係しているとの話もあるが、本当だろうか。天下一品のヘビーユーザーでもある筆者の見解は……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
唯一無二の「こってりスープ」で知られる天下一品が、首都圏で大量閉店する。首都圏に展開する店舗のうち、約3割にあたる10店舗が6月30日に閉店してしまうのだ。
ご存じのように今、ラーメン店の経営はかなり難しい。物価高騰や人件費の上昇という飲食店全てが直面している問題に加えて、異常なほど「競争」が激しいのだ。
日本経済新聞の調べでは、国内でラーメンを提供する店舗は2万店超。そこに開業のハードルの低さから、年間3800店舗ほどが新規参入するといわれているので当然、すさまじいカニバリが起きる。開業1年以内に40%が倒産するというデータもあるのだ。
そう聞くと、「いやいや、でも今回、閉店する店舗はほとんどがフランチャイズで、フランチャイジー側の戦略的な判断というニュースもあったじゃないか。天一の人気が落ちているわけじゃないのに不安をあおるようなことを言うなよ」とイラっとする人もいるかもしれない。
ただ、大学生のときに東京進出2号店の「江古田店」で食べてから天下一品の「こってりラーメン」を30年以上食べ続けてきたファンの立場からすると、今回の閉店に対して楽観視はできない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
カセットコンロで“くるくる”焙煎? イワタニの新商品にコーヒー好きがざわつく理由
カセットコンロで“くるくる”とコーヒー豆を焙煎できる――。イワタニの新商品が、手軽に本格焙煎を楽しめるとコーヒー通の間で話題になっている。そのユニークな仕組みとは?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのか
地図を扱うゼンリンが都道府県のカタチをしたピンバッジを販売したところ、想定以上に売れている。47種類を販売して、どの都道府県が最も売れたのか。トップは……。

