「天下一品」閉店の背景は? 唯一無二の“こってり”に陰りが見える理由:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
天下一品の大量閉店が話題になっている。フランチャイジー側の店舗戦略が関係しているとの話もあるが、本当だろうか。天下一品のヘビーユーザーでもある筆者の見解は……。
一蘭の現在の店舗数は
あれから7年。2025年3月時点の公式Webサイトによると、一蘭の店舗数は81店舗となっている。店舗数だけ見れば、天下一品の半分以下だ。しかし、現在も一蘭は、外国人観光客だけでなく若者の間でも行列ができる人気店である。
これはやはり吉冨社長が一蘭の「付加価値」をしっかりキープしてきたたまものだ。そして、同じことは天下一品でも可能ではないかと思っている。
若いころ、店舗数がまだ少なかった時代に、深夜に急に天下一品が食べたくなって、わざわざ江古田まで車を走らせたこともあった。好き嫌いの分かれる味ではあるが、好きになった者はとことん好きになるのが、天下一品なのだ。
人口減少の日本で「不特定多数の客をつかむ」というビジネスモデルは先細りする。そういう意味では、コアな支持層がいる天下一品は有利なはずだ。付加価値を向上するという戦い方で、これからも天一ファンの拡大を図ってほしい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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