ハーゲンダッツ、“まさか”の伸び悩み? 打開策で注目する「差し入れ文化」(1/5 ページ)
日本でプレミアムアイスとして人気を集めるハーゲンダッツだが、近年は成長が伸び悩んでいる。その背景には何があるのか。そして、同社はどんな手を打とうとしているのか。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。
ハーゲンダッツといえば、日本ではプレミアムアイスの象徴的存在で、スーパーやコンビニなどのアイスクリーム売り場で必ず見かけるブランドです。日本での売り上げは年間で500億円を超え、1ブランドだけの商品としては非常に大きな規模です。一方で、最近は売り上げが伸び悩んでいるようです。
ハーゲンダッツの強さの秘訣と今後の展望について、流通小売り・サービス業のコンサルティングを30年以上続けてきているムガマエ代表の岩崎剛幸が分析していきます。
以前の「高級アイス」といえば、レディーボーデンだった
日経BPコンサルティングが実施している「ブランド・ジャパン2025」の企業ブランド総合力ランキング(一般生活者編)で、ハーゲンダッツは12位にランクインしています。カップヌードル、スターバックスよりも上位に評価されました。
今では国内で販売しているプレミアムアイスの代表的ブランドであるハーゲンダッツですが、実は、先行していた別のプレミアムアイスとの競争に勝って、作り上げてきた歴史があります。
以前、日本でのプレミアムアイスといえば「レディーボーデン」でした。1857年に米国で誕生し、日本に上陸したのは1971年です。筆者が子どもだった1970年代、大容量アイスを銘打つパッケージのデザインは斬新で、味が濃い。レストランで出てくるようなアイスが家で食べられる、それまでにない価値のある商品でした。
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