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ハーゲンダッツ、“まさか”の伸び悩み? 打開策で注目する「差し入れ文化」(2/5 ページ)
日本でプレミアムアイスとして人気を集めるハーゲンダッツだが、近年は成長が伸び悩んでいる。その背景には何があるのか。そして、同社はどんな手を打とうとしているのか。
その後、日本に登場してきたのがハーゲンダッツです。創始者の「高品質な素材を使った今までにない究極のアイスクリームを作りたい」という考えの下で生まれたブランドとして1961年、米国・ニューヨークで誕生しました。
日本に上陸したのは1984年。当初は大きなパイントサイズを売っていましたが、1985年に「ミニカップ」サイズを発売しています。この商品が日本市場向けの「1人で食べきれるサイズ」として支持を得ていきました。
ミニカップがきっかけとなり、レディーボーデンとハーゲンダッツの立場は徐々に逆転していきます。今となってはミニサイズの食べきりサイズはハーゲンダッツの独擅場となりました。コンビニでは超定番商品で、アイス什器には必ずハーゲンダッツが最も手に取りやすい端をキープしています。
左:1985年当時のミニサイズ 右:2023年 植物性ミルクを使った豆乳アイス発売。何度もパッケージをリニューアルし、商品特性をビジュアルで伝えるデザインに進化(出所:ハーゲンダッツ公式Webサイト)
ハーゲンダッツが「プレミアム感」を醸成できたワケ
ハーゲンダッツは1984年11月、青山に直営店1号店を出店しています。連日、行列が絶えないほどの人気店だったそうです。1980〜90年代前半までのハーゲンダッツは直営店が主力チャネルで、店で商品を体験してもらい、ファンを作ることに注力しました。これが同社のブランドづくりに大きな優位性をもたらしました。「そこに行かないと買えない」という価値を作り、特別な一品というブランドイメージを定着させたのです。
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