連載
「ポストコメダ珈琲」の行方は? コメダHDが新業態を増やし始めた深いワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
コメダホールディングスが「新業態」を次々に導入している。どんな狙いがあるのか。
ジェリコ=デザートドリンク
ジェリコとは、アイスコーヒーをベースに、珈琲ゼリー、ホイップクリームを組み合わせて「飲む、食べる、混ぜる」が楽しめるデザートドリンクである。
少し前にタピオカ入りのドリンク、その派生としてわらび餅入りのドリンクが人気になっていたが、それに近い発想の商品だ。パッと見た目はスターバックスの人気商品である「フラペチーノ」にも似ている。写真映えがして、若い人、特に女性に人気が出そうな要素を備えている。
ジェリコ堂では、ゼリー、ホイップクリーム、追加トッピング、甘さをそれぞれ自分で選んでドリンクを注文できる。組み合わせは1000種類以上に及ぶという。色とりどりのドリンクを作れ、カスタマイズの自由さを楽しむ、新感覚のドリンクといえよう。
自由な発想を好む海外の消費者にも受け入れられそうな商品で、日本ではむしろ観光地のインバウンド向けで流行しそうだ。
大餡吉日は、東名阪自動車道・御在所サービスエリア下り線にあるジェリコ堂の隣に、オープンした。もともと2022年4月から名古屋市内で営業していたが、移転した形だ。オーソドックスな王道の大判焼き店で、人通りの多い場所をうまく選べば成立しそうだ。
こうした新業態の先輩といえるおかげ庵は、米屋の太郎だけでなく大餡吉日ともセットで拡大できそうで、1990年代から温めてきた甘味処のような和風喫茶業態が、ようやく成長段階に入りつつある。現在は沖縄で3店のみ展開しているアデモックも、ふんわりしたパンに定評があるコメダだけに、商業施設でニーズがあるように思われる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
スタバVS.コメダ 日米コーヒーチェーン徹底比較で見えてきた立ち位置
人気カフェチェーンのスタバとコメダ。実はこの2つは、同じ日本でシェアを拡大しつつも、絶妙にターゲットや店の目的が異なる。両者の特徴を見ながら、日本のコーヒーチェーンの現在地と未来について考えてみよう。
物価高時代に、なぜ競合より「ちょい高」なコメダ・星乃が伸び続けているのか
長く衰退を続けている喫茶店業界。その中で、多くの競合よりもちょっと高いながら人気を博しているのが、コメダ珈琲店と星乃珈琲店だ。両社の強みを探っていく。



