あなたの職場にもいるでしょ? 「反対のための反対」を繰り返す“現状維持おじさん”:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
小泉農水大臣が進める取り組みに対し、つぶしにかかる人たちが一定数いる。日本の組織によく見られる光景だが、こうした「現状維持おじさん」への対処法とは。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
小泉進次郎農林水産大臣がたたかれている。
「米が高い!」「一体いつになったら値下がりするんだ!」という国民の怒りが爆発していたので、大慌てで対応したら今度は「こんなに安いのは適正価格ではない!」「農家や米屋をつぶす気か!」「どうせ選挙対策だろ、汚い連中だ」などと、こき下ろされているのだ。
政治家とはそういうものなのでしょうがない部分があるが、ちょっと気の毒なのは身内からも「無能」扱いされていることだ。
岸田政権で農水大臣を務めた“先輩”である野村哲郎衆議院議員は地元の会合で、小泉大臣が「随意契約」を自民党農林部会に諮らずに決めたことを批判して、「ルールを覚えてもらわないといけない」と小バカにしたのだ。
ただ、このニュースを聞いて「典型的な老害だな」とイラッとしている方もいるはずだ。会社などでも、停滞した事態を打開しようと新しい取り組みを進めようとすると、よってたかってつぶしにかかるベテランや重鎮も多いからだ。
こういう人たちを筆者は「現状維持おじさん」と呼び、日本型組織の「変化できない」問題に大きな影響を与える「キーマン」だと思って注目している。
「現状維持おじさん」はその名の通り、既存のシステム、既得権をとにかくキープしたいベテラン・重鎮達だ。彼らは、これまで続いてきたルールを軽視されたり、秩序を乱されたりすることが大嫌いなのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
隣の同僚が億万長者に? 知られざる「いつの間にか富裕層」の実態
かつて「一生分の大金」とされた1億円。だが今では、一般の会社員でも資産1億円を超える「いつの間にか富裕層」になるケースが増えている。野村総合研究所の調査から見えてきた、“元庶民”たちの新たな富の姿とは――。
女性にドン引きされる「パーカーおじさん会社員」が増えた、ちょっと意外な背景
「職場のパーカーおじさん」はセーフかアウトか――。そんな議論が話題になっているが、なぜパーカーを着ている会社員が増えたのだろうか。その理由は……。
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
「適正に評価されているなあ」 30代の転職者がそのように感じる企業ランキング
転職した人は、転職先のことをどのように感じているのだろうか。オープンワークが「人事評価の適正感」が高い企業ランキングを作成。上位に並ぶ企業の特徴は……。

