正社員の約4割が「静かな退職」をしている――彼ら・彼女らが抱える不満とは?
キャリアアップや出世を求めず、仕事に対して消極的な状態を指す「静かな退職」。人事・ESG領域の課題解決支援サービスを提供するコーナー(東京都渋谷区)が調査を実施した。
キャリアアップや出世を求めず、仕事に対して消極的な状態を指す「静かな退職」。人事・ESG領域の課題解決支援サービスを提供するコーナー(東京都渋谷区)が調査したところ、正社員の約4割が静かな退職状態にあることが分かった。
静かな退職層をワークスタイル別に見ると?
静かな退職状態の人をワークスタイル別に見ると、「リモート中心型」(57.3%)が最も多く、「出社型」(36.0%)、「ハイブリッド型」(18.6%)と続いた。同社は「ハイブリッド勤務は対面と柔軟性のバランスが取れ、静かな退職割合が最も低い。働き方の違いがモチベーションに直結するのでは」とコメントした。
「静かな退職」状態の社員は何が不満なのか
今の会社への不満・不安の全体1位は「給与・報酬が期待に見合っていない」(45.4%)だった。年代別でみると、若手層(20代)は「給与」、ミドル層(30〜40代)は「柔軟性の欠如」「キャリア・スキルアップ不安」、シニア層(50代)は「経営陣の意思決定」への不満が中心となった。
静かな退職状態にある人の不満ポイント1位も、「給与・報酬が期待に見合っていない」(47.0%)という結果に。その他、「会社の将来性」(21.7%)、「パーパス共感」(19.1%)といった声も寄せられ、組織全体への信頼性に関する要因の選択率が高かった。同社は「自分の仕事や組織の未来に対する安心感・共感の醸成がモチベーションに影響する可能性がある」と分析する。
調査は5月2〜9日、人事担当者と一般社員の計413人(人事職100人、一般社員313人)を対象にインターネットで実施した。
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