単なる「値上げ」は客離れを起こす! 「コメ離れ」なのに収まらないコメ高騰にどう立ち向かうべきか(4/4 ページ)
いつまでたっても収まらないコメ高騰。各社がさまざまな策を打ち出している。
ファミリーマートは、対象商品を1個買うと対象の商品と引き換えられる無料引換券(レシートクーポン)を1枚プレゼントするという、こちらも定番の企画を実施。買いたいものが対象商品に入っていれば、無料でもらえるお得な企画です。次回来店につながるだけでなく別の商品購入にもつながりやすく、客数を増やして売り上げを高める効果のある良い企画です。
物価高の今こそ、商売の基本に立ち返るべき
コメ価格の高騰をはじめとした食材価格の上昇など、あらゆるものが値上げの昨今、価格転嫁しなければ商売が成り立たなくなっていることを消費者も一定程度は理解しています。しかし、物価高に乗じた理由なき値上げは、客離れを引き起こす一番の原因となるでしょう。コンビニ大手のように、商品の値上げをしても、さまざまな割引施策やキャンペーン、付加サービスなどで消費者の目に見える形で還元していかなければ、知らない間に客離れを起こします。
企業としては「値上げする際にはその理由を明確にすること」「値上げしたら客への還元策も必ず行うこと」の2点を意識する必要があります。これが、コメ価格高騰、物価高騰時代に客から支持されるポイントです。物価高の今こそ、商売の基本に立ち返りましょう。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。直近では著書『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第5版]』を刊行した。
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