単なる「値上げ」は客離れを起こす! 「コメ離れ」なのに収まらないコメ高騰にどう立ち向かうべきか(3/4 ページ)
いつまでたっても収まらないコメ高騰。各社がさまざまな策を打ち出している。
コメ価格高騰を受けた、小売り各社の対応
実際に小売り各社はさまざまな商品開発や販売施策によって、コメ価格高騰や物価高対策に対応し始めています。例えばセブン-イレブンは、1個当たりのコメの量や具材を増やした「具だくさんおむすび」のアイテム数を増やしています。1個当たりは高くなりますが、ボリューム感を増すことで、相対的に満足感が高まる商品の強化に取り組んでいるわけです。
ローソンのディスカウント業態「ローソンストア100」では「おにぎり値下げ宣言」として、5月21日から全おにぎりの4割程度を最大10%値下げして販売しています。この他にも各社がさまざまな商品を開発し、コメ価格高騰や物価高対策を進めています。
こうした対応があったものの、消費者には想像以上にコメ価格高騰をはじめとした物価高の影響があり、買い控えの傾向もでてきています。流通各社もさらなる危機感を抱いており、より強い消費刺激策を打ち出し始めました。
農水省のデータにもあった通り、そもそも備蓄米の店頭販売だけを頑張っても実際の来店客の購買ニーズとは異なるため、全体の売り上げにはつながらないのです。特に、通常はコメの販売もせず、値下げに消極的なコンビニ業態ではなおさらです。
では、コンビニ各社はどのような販促策を打ち出しているのでしょうか。次の図にまとめました。
セブン-イレブンでは大々的におにぎりのセールを実施しました。筆者は都内だけでなく地方店舗もセール初日に視察しましたが、平常時よりもかなり速いペースでおにぎりが売れていました。やはり「おにぎり100円(一部商品)」のインパクトは、このご時世大きかったのでしょう。
ローソンでは6月3日から価格据え置きで具材や重量などを約50%増量した「盛りすぎチャレンジ」を実施しています。同社の好評企画で、今回が5回目の開催です。キャンペーン期間中の1店舗当たり平均来店客数は、前年対比で約5%増(同社調べ)になるということ。今回は50周年企画としておよそ1カ月にわたり開催するため、これまで以上の効果となるでしょう。
今回は創業祭を兼ねているからか、路上に店員が立ってチラシを配布しているところにも出くわしました。コンビニで路上チラシ配布は初めて見ましたが、それだけ全社をあげたイベントだということがよく分かります。
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