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「鳥貴族」「串カツ田中」「新時代」格安串チェーンが繰り広げる“盛りすぎ戦争”の行方長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)

格安串居酒屋チェーンが、価格以外の訴求として見た目にもインパクトのある“盛りすぎ”商品に注力し始めている。各社の戦略を追った。

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鳥貴族と「同い年」

 鳥貴族は2025年に創業40周年を迎え、忠義氏も今年で40歳。つまり、忠義氏は鳥貴族がまだ東大阪市にあった個人店のときに生まれ、鳥貴族とともに育ってきた一面がある。今や鳥貴族は7月1日時点で全国に660店超、米国や中国など海外にも進出している一大チェーンとなった。

 芸能に進んだ忠義氏だが、父の背中を見て自身も起業し、経営者の立場になった。今回忠義氏がプロデュースした商品には、当然、経営者としての視点が入っていると見るべきだろう。4月に開いた鳥貴族40周年記者発表会で、大倉社長は「串ナゲットグリーンは売れば売るほど赤字が増える。せめて、スーパーエイトの本当の人数通りに5本にしてほしかった」と“盛りすぎ串”の企画に渋い表情だったが、忠義氏は「ここは8本で!」と譲らなかった。


大倉親子

 忠義氏が8本390円にこだわったため、1本当たりの価格は他の格安居酒屋チェーンの“盛りすぎ串”をしのぐ価格となった。このインパクトは大きい。もし、5本390円だと、1本78円。それでも非常に安いが、後述する串カツ田中や新時代の商品よりも高くなってしまって、驚きも少なかったのではないだろうか。

 国産鶏のささみを100%使用したチキンナゲットを、串にしており、1皿8本というビジュアルは迫力十分。1皿注文すれば、通常の2皿分に相当するボリューム感がある。値上げのデメリットを帳消しにする効果は絶大だろう。味はあっさりしているが、青海苔のジャンク感がきいていて、お酒も進む癖になる商品に仕上がっている。忠義氏の父譲りの商売のセンスを、第2弾でまた見たいものだ。

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