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「身の丈」に合ってなかった? 再開発で「中断」「延期」相次ぐ 中野・津田沼・五反田から学ぶ(2/3 ページ)

中野、津田沼、五反田などで計画していた再開発がとん挫している。一体何が起こっているのか。

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「身の丈」にあった計画だったのか

 当初の案では跡地に高さ262メートルの超高層ビルを建設する予定だった。低層階には店舗やホテル、ホール、コンベンションセンターなどが入居し、中層階は住宅、高層階はオフィスという構造だ。旧中野サンプラザの高さは92メートルであり、その機能を継承しつつ住宅とオフィスを追加するようなビルである。

 当初想定していた工事費は1210億円で、2024年1月には1845億円に引き上げたが、この時点では住宅の値上げでまかなえるとし、中止とはならなかった。しかし、7月の施工認可申請後に野村不動産側は工事費がさらに900億円上昇する旨を区に伝えた。

 前述の見直し案はツインタワーとする案で、住宅の比率を従来案の4割から6割に拡大、オフィスを4割から2割に縮小するもの。しかし、中野サンプラザを継承するという名目上、タワマン要素の拡大に区は不服だったとみられる。そもそも262メートル超の複合ビルは丸の内、新宿レベルの規模であり、中野エリアでは身の丈に合わない計画だったといえる。

津田沼駅前の再開発も中断

 津田沼駅前の複合商業施設「モリシア津田沼」も再開発が中断している。モリシアは1978年に「サンペデック」として開業し、大規模改装と改称を経て2008年にリニューアルした。スターバックスやすき家などの飲食店、ニトリや書店、洋服店があるモールだったが、施設を所有する野村不動産は老朽化を理由に再開発を決定して2025年3月に閉店。再開発の大義名分として使われる「老朽化」だが、モリシア津田沼は若者も多く、休日はにぎわっていた施設である。

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