「チラシでは動かない」顧客を動かす ベルクが仕掛けた「エンタメ×店舗DX」(2/5 ページ)
スーパーマーケットのベルクは、エンタメを取り入れたイベントや、テクノロジーを活用した現場改革を通じて、店舗の役割を変化させようとしている。原島一誠社長に、来店価値と現場力を高める”次世代の店舗戦略”について聞いた。
来店の「動機」をどうつくるか? “好き”から始まる顧客接点
買い物にあまり関心のない人たちに、いかにして来店してもらうかは、現場にとっての大きな課題だ。ベルクでは、“好き”という感情やファンの心理に寄り添い、新しい来店のきっかけを生み出すマーケティングに力を入れている。
ベルク代表取締役社長の原島一誠氏は「男性、特に年配の方は、チラシやスーパーのイメージだけではなかなか足を運んでくれません。一方、自分の好きなものがあると、『とりあえず行ってみようか』と思ってもらえます」と語り、顧客接点の重要性を指摘する。
このようなエンタメ性を取り入れたキャンペーンの実現を支えているのが、ビーマップとMMSマーケティングだ。両社が培った技術やイベント企画・運営のノウハウを基に店舗への来店促進を狙っている。
両社は、2024年には、地域密着型のスーパーマーケットを展開するベルク、イズミ、平和堂が合同で実施した「武藤敬司&蝶野正洋『不屈の現場研修』キャンペーン」や、2025年にはベルク、イズミが合同で人気のものまねタレントとタイアップした「『ものまねマーケット2025』キャンペーン」の企画・運営をサポート。店舗でキャンペーン対象商品を購入した顧客に対し、イベントへの参加権や限定のグッズ、ポイント付与などの特典を用意することにより、来店のきっかけづくりにつなげた。
さらに、レシート読み取り技術や抽選システムも提供し、キャンペーン運用を技術面からも支えている。こうした取り組みは、複数の流通企業とメーカーが参加する業界横断型のプロジェクトとして展開され、地域に根ざした流通業者とエンタメの力を掛け合わせ、来店の動機を作り出す仕掛けとなっている。
ビーマップとMMSマーケティング代表取締役社長の杉野文則氏は「もともとコンビニで実施していたキャンペーンを原島社長からスーパーでもやってみたいというご要望がありました。さまざまな企画を用意した中で、一番ユニークな内容のものに決まりました」と語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AI競争は「Googleの圧勝」で終わるのか? Gemini 2.5 Proの衝撃
米国のテック系人気ユーチューバーの何人かが、こぞって「AI開発競争はGoogleが勝利した」という見出しの動画をアップしている。これでGoogleの勝利が決定したのかどうか分からないが、少なくともOpenAIの首位独走の時代は終わったのかもしれない。
ソニー平井元CEOが語る「リーダーの心得5カ条」 若くして昇進した人は要注意
ソニーグループを再生させた平井一夫元社長兼CEOが自ら実践し、体験を通じて会得したビジネスリーダーに必要な要件とは?
28歳エンジニアがリーダー “爆速”で作った「AIワークフロー」がスゴイ
SaaSの開発・販売を手掛けるサイオステクノロジーは、ワークフローシステム「Gluegent Flow」で、生成AIを活用したユーザーアシスト機能をリリースした。開発に携わったプロダクトマネージャと、発案者としてプロジェクトリーダーを務めた28歳エンジニアに舞台裏を聞いた。
なぜ日立はDXブランドの“老舗”になれたのか? Lumada担当者が真相を明かす
連載「変革の旗手たち〜DXが描く未来像〜」では、各社のDXのキーマンに展望を聞いていく。初回は日立製作所。なぜ日立は2016年の段階で、ブランドを立ち上げられたのか。Lumadaの推進に関わる、デジタル事業開発統括本部の重田幸生さんと、Lumada戦略担当部長の江口智也さんに聞いた。
なぜ三菱電機「Serendie」は立ち上がったのか データドリブンによる価値創出の狙い
三菱電機は2024年5月にデジタル基盤「Serendie」(セレンディ)を立ち上げた。同社DXイノベーションセンターが主体となって運営。長年培ってきたモノづくりの強みと、データ活用による新たな価値創出を融合させる狙いがある。同社執行役員で、DXイノベーションセンターの朝日宣雄センター長にインタビューした。
なぜ富士通「Uvance」は生まれたのか サステナビリティに注力する強みに迫る
DXブランドが乱立する中、DXだけでなくSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)も打ち出し、着実に成長してきたのが、富士通が2021年に立ち上げた「Fujitsu Uvance」だ。なぜSXを掲げ続けているのか。ユーバンスの事業戦略責任者に聞いた。
孫正義「A2Aの世界が始まる」 数年後のAIは“人が寝ている間に”何をする?
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、個人専用のAIが予定の管理や買い物などを代行する「パーソナルエージェント(PA)時代」が数年以内に到来するとの見方を明らかにした。
