2015年7月27日以前の記事
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「課題発見力」こそが、失敗を成功に導く(3/4 ページ)

世界をまたにかけて活躍するビジネスパーソン、いわゆるグローバルエリートは、「解は外にあり、課題はいつも中にある」と考えています。この姿勢を全うし、培う力となるのが、「課題発見力」です。彼らはなぜ正しい課題を見抜けるのか。その力はどこで培われているのかを探っていきます。

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グローバルエリートの強さは「リスクコントロール力」にある

 グローバルエリートが本質的課題を発見する力に長けている理由のひとつに、リスクコントロールの巧みさが挙げられます。ウォーレン・バフェット氏は、バークシャー・ハザウェイのトップを退任する前、5年にわたって日本の5大商社の株を買い増しし、長期保有すると語りました。当時「利益が出ているのに不当に株価が安い」「こんな立派な会社が放置されているのはもったいない」といった発言が取り沙汰されたことは記憶に新しいでしょう。

 本当の理由はわかりませんが、私は、日本の5大商社が持つリスクコントロール力ではなないかと考えています。投資銀行の目線で見た場合、企業を「一流」とみなす決め手として、リスクコントロールの巧みさが非常に大事なファクターになります。想定外の出来事が起きたときにリスクコントロールが上手にできる会社こそが、タフな会社なのです。

 世界のグローバル企業の中でも、日本の総合商社は屈指のリスクコントロール力を誇ります。例えば、イランとイスラエル双方とビジネスを展開していますし、ロシアや中国とも、的確なリスクコントロールのもと、世界の情勢に応じた適切な判断を行っています。

 場合によっては、高リスクな商品取引に大きな投資をすることもあります。先物取引のような高リスクな領域に、普通の会社は手を出すことをためらいますが、総合商社は実行に移す胆力を持っています。

 バークシャー・ハザウェイにとって総合商社ほど頼もしい会社はなかったのでしょう。総合商社はまさに外洋で生きるグローバルエリートです。ウォーレン・バフェット氏は日本のグローバルエリートを高く評価してくれたのだと、私は見ています。

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