インタビュー
「青春18きっぷ研修」その後どうなった? 3年目で見えてきた本当の効果(1/6 ページ)
山陰パナソニックは、新入社員に青春18きっぷでの一人旅を課す「サンパナジャーニー」を通じて、主体性や計画力を育む独自研修を実施している。リアルな体験を重視し、3年かけて成長を促す育成体系が注目を集めていて……。
「え、新入社員研修で一人旅?」――。山陰パナソニック(島根県出雲市)が2022年に導入した新入社員研修の「サンパナジャーニー」は、当時大きな話題を呼んだ。青春18きっぷを使って、5日間の一人旅をさせる取り組みは、SNSを中心に「斬新すぎる」と話題になり、多くのメディアでも取り上げられた。
あれから3年。サンパナジャーニーを継続してきた同社では、どのような変化があったのか。研修を企画した同社の船井亜由美氏に現状を聞いた。
サンパナジャーニーでは、5日間どこに行き、何をするのか新入社員が各自で計画を立てる。予算は1日1万円で、宿泊費や食事代、青春18きっぷ以外の交通費、現地での雑費など、すべてをやりくりする。そのほか、「1日当たり10人と会話する」「地域の課題を聞く」などのミッションも課される。
同研修では、新入社員の主体性や計画力、コミュニケーション力の向上を目的としている。旅を通じて、限られた予算と時間の中で計画を立てて実行するという、いわば仕事の基礎を身に付けさせる狙いだ。
あえて一人旅にしているのも理由がある。複数人だと内輪だけで完結してしまうが、一人だと知らない人に助けを求める経験も得られる。これは職場で周囲に協力を仰ぐ際の疑似体験にもなるという。
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